【アームライン】日常生活で必須な「アームライン」の位置と役割:Anatomy Train Arm Line

このブログでも大人気のアナトミートレインシリーズ第5弾!

今回は”胸〜指先”を走る「アームライン」について学んでいきましょう!
Tomy先生
Tomy先生

その前に「アナトミートレインってなに!?」という方はまずこちらからどうぞ→「アナトミートレインの基礎知識」まずは知っておきたい3つの原理。

動画で学びたい方はこちら↓

 

アームラインの特徴と役割

「アームライン」は、体の”前後”及び”深さ”で4種類に分けられています。

(引用:アナトミー・トレイン [Web動画付] 第3版: 徒手運動療法のための筋筋膜経線より)

まずは体の前面を走っている2つのラインを紹介していきましょう。

 

①「浅層フロントアーム」

まず1つ目が前側の「浅い」筋肉群です。

このラインは「SFAL(スーパーフィシャル・フロント・アーム・ライン)」とも呼ばれています。

(引用:同上)

上のイラストの”右腕”の方ですね。実際にはどの筋肉を通っているんですか?

「浅層フロントアーム」は、上半身の大筋群である「大胸筋」「広背筋」から始まります。

(いずれも引用:http://kinniku-no-hanashi.comより)

この2つの大きな筋肉は、上腕骨の前(小結節)でゴールしています。

ここから骨沿いを「内側筋間中隔」で下り「前腕屈筋群」、そして最終的には「四指の先端」へとつながっていきます。

(引用:同上)

筋肉のつながりを見ても分かる通り、「大胸筋」「広背筋」といった大筋群”「前腕屈筋群」にパワーを伝えています。

これは結果として「握力の強さ」にも大きな影響を与えています。

パワーを生み出すのは、1つの筋肉の力だけではないんですね!
Tomy先生
Tomy先生

 

②「深層フロントアーム」

2つ目は前側の「深い」筋肉群です。

このラインは「DFAL(ディープ・フロント・アーム・ライン)」とも呼ばれています。

(引用:同上)

次はイラストの”左腕”の方ですね。実際に通る筋肉は…?

このラインは①のラインよりも下層を通るため「小胸筋」から始まります。

(引用:同上)

小胸筋のゴール地点である烏口突起は「上腕二頭筋」のスタート地点です。

「上腕二頭筋」を介したラインは、前腕部分の骨膜(橈骨骨膜)を通り「親指」へとつながっていきます。

(引用:同上)

”浅層”は「四指」につながり、”深層”は「親指」につながるんですね!

ストレッチをする際には「指の向き(角度)」にも意識を向けることが大切です。

 

③「浅層バックアーム」

続いて3つ目は後ろ側の「浅い」筋肉群です。

このラインは「SBAL(スーパーフィシャル・バック・アーム・ライン)」とも呼ばれています。

(引用:同上)

上のイラストの”右腕”の方ですね。実際にはどの筋肉を通っているんですか?

このラインは”肩こり”の代名詞でもある「僧帽筋」から始まり「三角筋」へとつながります。

(引用:同上)

「僧帽筋」のゴール地点と「三角筋」のスタート地点は「肩甲骨」を介して綺麗に重なっており、連動性をもっていることを感じさせます。

ここから骨沿いを「外側筋間中隔」で下り「前腕の伸筋群」へとつながります。

(引用:同上)

そして、最終的には「四指の先端」へと行き着きます。

このラインは「前腕の伸筋群」そして「指先」へと終着するため、指を伸ばす動作の際によく使われます。

パソコンでのタイピングは常に指先を上げた状態をキープするため、このラインが終始使われています。

長時間のデスクワークによって「前腕の伸筋群」がこわばると、そのこわばりは「三角筋」を通じて「僧帽筋」へと行き着きます。

それが結果として”肩こり”の要因となってしまうのです。

デスクワークで肩が凝ってしまう方は「前腕」からケアしていくことが大切なんです!
Tomy先生
Tomy先生

 

④「深層バックアーム」

ラストの4つ目は後ろ側の「深い」筋肉群です。

このラインは「DBAL(ディープ・バック・アーム・ライン)」とも呼ばれます。

(引用:同上)

最後はイラストの”左腕”の方ですね。実際にはどの筋肉を通っているんですか?

このラインは③の1つ下層を通っています。

スタートは「肩甲挙筋」「菱形筋」です。

肩甲骨からは「棘上筋」「棘下筋」にそれぞれつながっていきます。

(引用:同上)

上腕骨の後ろ側に行き着いたラインは「上腕三頭筋」を下ります。

そして尺骨沿いの骨膜を通り「小指」へとつながっていきます。

(引用:同上)

このポイントは「ローテーターカフ(棘上筋・棘下筋等)」を含んでいる点です。

ローテーターカフ…?

「ローテーターカフ」というのは、上腕骨が肩甲骨の凹みから抜けないように固定をしている”インナーマッスル”です。

このローテーターカフは、背中側の「菱形筋」と腕側の「上腕三頭筋」と同じ深さでつながり、連動しています。

肩関節を強化するためには「菱形筋」と「上腕三頭筋」も一緒に鍛えることが大切なんですね!

筋肉のつながりを知ることは、体のケアだけでなくトレーニングの際にも役立ちます。

 

特徴と役割

「アームライン」は日常生活におけるさまざま動きで使われています。

  • パソコンを使う
  • 字を書く
  • 運転する
  • 洗濯物を干す
  • 料理をする

などは全てアームラインの影響を受けています。

たしかに日常生活では何をするにせよ、腕を使いますね。

アームラインは背骨や体幹部の一部ではないので「姿勢」への直接的な影響はありません。

しかし、他のラインと”継ぎ目なし”でつながっているという特徴があるため、ラインの乱れは間接的に悪影響を及ぼします。

丁寧なケアが必要な筋肉群であることをぜひ覚えておきましょう。

 

まとめ

アームラインは「前後に分かれている」&「深さも異なっている」ので、それぞれのラインに対するアプローチが必要です。

ぜひ筋肉のつながりを意識してストレッチしてみてください。

では今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

筋肉の具体的なラインについてはこちら↓

うぱ
今日もありがとうぱ!

動画で復習したい方はこちら↓



【番外編:オススメ本の紹介】

筋肉のつながりって面白いですね〜!
アナトミートレインについてもっと知りたくなりました!
そんなセラピストのために、今日はオススメ本を3つ紹介します(忖度なしです!)
Tomy先生
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『オススメ①:初級編』

まず初めての方にオススメなのが「カラー図解ムービングボディ―動きとつながりの解剖学」です↓

こちらの本に載っている情報は、”浅く・広い”です。

各ラインの基本的な特徴について、まんべんなく抑えてあります。

オールカラーでイラストも豊富なので、初めての方はぜひこの本から始めてみてください。

本全体が大きい&見やすい&わかりやすいので、最初のイメージをつかむ上ではオススメです。
Tomy先生
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ご注文はこちらから→ムービングボディ 動きとつながりの解剖学

 

『オススメ②:中級編』

基礎知識がある方にオススメなのが「アナトミー・トレイン 第3版: 徒手運動療法のための筋筋膜経線」です↓

個人的な見解としては、アナトミートレインに関する情報は、この本が1番面白くて勉強になります。

「筋膜」の基本的な仕組みはもちろんのこと、各ラインについての細かく丁寧な解説が載せられています。

特に「筋肉同士のつながり」「運動における役割」などは

「そうそう!こういう情報が欲しかったんだよね!」

と納得できる内容になっています↓

体の構造に興味がある方は必見ですよ!
Tomy先生
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ご注文はこちらから→アナトミー・トレイン [Web動画付] 第3版: 徒手運動療法のための筋筋膜経線

 

『オススメ③:上級編』

最後に紹介するのは「人体の張力ネットワーク 膜・筋膜―最新知見と治療アプローチ」です↓

こちらは筋膜の専門書で、500ページを超える大書です(重すぎて持ち運びはできないレベルです)。

それだけに情報量はとても豊富です。

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Tomy先生
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Tomy先生
千葉県出身。 現在は「健康」×「教育」の仕事に従事。 将来の夢は「全ての人が毎日身体のケアをする文化を創ること」。 ”歯磨きすること”と同じくらいの感覚で、体のケアをする文化が広まれば、きっと世界を変えていける!と信じている。 マイペースで群れることが嫌いな典型的なB型気質。西新宿にて週末個人サロン「Tomy's room(トミーズルーム)」を運営中。 ◯順天堂大学スポーツ健康科学部スポーツ科学科(スポーツ医科学専攻) ◯日本ストレッチング協会:認定ストレッチインストラクター<JSA-CSI> ◯全米ストレングス&コンディショニング協会<認定パーソナルトレーナー(CPT)&認定SCスペシャリスト(CSCS)>