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最近、「筋膜」「筋膜リリース」といった言葉を雑誌やテレビでよく見かけるようになりました。
筋膜って最近見つかったものなんですか?
あまり耳にしなかった「筋膜」という存在ですが、そもそも発祥は
- オステオパシー(整骨医学)の創始者であるAndrew Taylor Atill(アンドリュー・テイラー・スティル:1828~1979年)
- ロルフィングの創設者であるIda P Polf(アイダ・P・ロルフ:1898~1979年)
の2人だと言われています。
今日は近年再び注目を浴び始めたこの筋膜の特徴についてまとめていこうと思います。
筋膜とは何か?
筋膜というのは、膜性の結合組織の”総称”です。
一言で「筋膜」と言っても
- 筋線維を覆っている「筋内膜」
- 筋束を覆っている「筋周膜」
- 筋肉全体を覆っている「筋外膜」
- 筋肉と脂肪の間に存在している「深筋膜」
- 脂肪と皮膚の間に存在している「浅筋膜」
以上の5種類の膜を総称して「筋膜」と呼んでいます。
(引用:health-to-you.jpより)
筋膜の構成成分は主に「コラーゲン線維」です。
コラーゲン線維は”棒状”のたんぱく質線維のため、材質的に硬く、伸び縮みすることはできません。
このコラーゲン線維を要所要所で束ねているのが「エラスチン線維」です。
こちらは”ゴム状”の線維のため、単独での伸び縮みが可能です。
筋肉が伸ばされると、コラーゲン線維もエラスチン線維も同様に伸ばされます。
「小さな伸び」に対してはエラスチン線維が対応し、「大きな伸び」に対してはコラーゲン線維が”配列を変化させる”ことによって対応しています。
(引用:関節可動域制限―病態の理解と治療の考え方
より)
筋膜はこのようにして筋肉の動きに対応しています。
【筋膜が硬くなるってどういうこと?】
ギプス固定などで関節を動かさない状態が長期間続くと、筋膜がこわばってきます。
癒着が起こってしまうと線維の配列が乱れ、動きに合わせた「構造変化」が起きにくくなります。
これによって、筋膜の伸びが悪くなります。
(引用:関節可動域制限―病態の理解と治療の考え方
より)
一説では柔軟性の「41%」が筋膜の動きに起因しているとも言われているので、筋膜を柔らかい状態に保っておくことは非常に重要です。
筋膜の3つの特徴
次に「筋膜の特徴」について見ていきましょう。
筋膜には以下の3つの特徴があります。
- 連続性
- 可塑性
- 感受性
では1つずつまとめていきます。
<①連続性>
まず1つ目は「連続性」です。
筋膜は「筋肉を骨に結合させている」というイメージを持ちがちですが、筋膜付着部のおよそ”30%”は「隣接する筋筋膜」に直接結合しています。
つまり、筋膜から筋膜へ…そしてまた筋膜へ…と「筋膜同士」をつなげることによって、全身が1つの束になっています。
筋膜はその構造ゆえに”動き”を生み出すことも可能です。
筋肉の収縮にはエネルギーを必要としますが、筋膜は「張力」によって動きを作るので、必要最小限のエネルギーで運動を起こすことができます。
運動の効率性を上げるために、非常に重要な役割を担っています。
<②可塑性>
2つ目は「可塑性」です。
可塑性というのは「個体に力を与えて変形を加えた時、力を取り去っても歪みがそのまま残る性質」のことをいいます。
前述したように、筋膜はコラーゲン線維の「配列変化」によって”伸び”を生み出しています。
したがって大きな構造変化が起こった場合、すぐには元に戻れません。
また逆もしかりで、大きな配列変化を起こすためにはそれなりに時間を必要とします。
筋膜が硬くこわばってしまっている場合には、反動をつけるようなストレッチではなく、ゆっくりじっくりと伸ばしていくストレッチが有効です。
<③感受性>
3つ目は「感受性」です。
特に「浅筋膜」と「深筋膜」の間の空間には、自由神経終末と機械受容器が非常に多く密集されています。
(引用:ビジュアルで学ぶ 筋膜リリーステクニックVol.1 -肩、骨盤、下肢・足部-
より)
「感受性が高い」というのは、すなわち「痛みを感じやすい」ということです。
切り傷や打ちみなどの外部からの刺激はもちろん、伸ばした際に感じる痛みの大部分もこの筋膜で感知されています。
…筋膜のこと、少しお分かりいただけたでしょうか?
まとめ
再度まとめると、筋膜の特徴は
- 連続性
- 可塑性
- 感受性
の3つになります。
筋膜の硬さはストレッチ時のストレスにもなりかねないので、しっかりとゆるめておくことが大切です。
「筋膜」や「筋膜リリース」を勉強したいという方はまず【ビジュアルで学ぶ 筋膜リリーステクニックVol.1 -肩、骨盤、下肢・足部-】を一読されることをオススメします。
ではでは今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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