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”筋膜をリリース(解放)する”というのは、一体どういうことなのでしょうか。
今日はこの「筋膜リリースの基礎原理」についてまとめてみようと思います。
筋膜をリリースする
「筋膜」というのは、その名の通り”筋肉を覆っている膜”のことです。
この膜は「コラーゲン線維」という”棒状のタンパク質線維”で構成されています。
コラーゲン線維そのものは硬く、伸びたり縮んだりすることはほとんどできません。
しかし、繊維そのものの”配列を変化させる”ことによって、伸ばされた方向に”長さ”を変えることができます。
(引用:関節可動域制限―病態の理解と治療の考え方より)
線維がまっすぐキレイに配列変化を起こせば問題ありませんが、
- 偏った動きによって”硬直時間”が長く続いている…
- 運動不足によって適切な”刺激”が入っていない…
という状態が続くと、徐々にコラーゲン線維同士が”癒着”をし始めます。
癒着が進めば進むほど、筋膜はこわばりが増して柔軟性が低下します。
筋膜は筋肉を覆っていますから、
『筋膜が硬くなる=その中に含まれている筋肉も硬くなる』という状況に陥ります。
筋膜リリースは、これらの硬くなった筋膜を周りの組織と引き離す(リリースする)ことを目的に行っていきます。
では基本的な考え方かた見ていきましょう。
筋膜リリースの基本的考え方
筋膜リリースでまず最初に狙うべき場所は、筋膜と筋肉(及び皮膚)をつないでいる「支帯線維:したいせんい」と呼ばれる場所です。
(引用:ビジュアルで学ぶ 筋膜リリーステクニックVol.1 -肩、骨盤、下肢・足部-:p27より)
皮膚から筋肉までは、ミルフィーユのような”層状”になっています。
基本的には表層から順に
- 「皮膚」
- 「浅筋膜」
- 「脂肪」
- 「深筋膜」
- 「筋肉」
という構造です。
各層の間には「支帯線維」が”縦方向”に走っています。
これはミルフィーユ状の層をその場に止めておく役割を持っています。
筋膜が正常でこわばることもヨレることもなく存在しているときは、キレイな縦方向の支帯線維配列になっています。
しかし、筋膜がこわばってしまうと…「支帯線維」が筋膜に引っ張られて乱れてしまいます。
筋膜と筋肉は”支帯線維を通じて縦方向に関係性をもっている”ので、
『筋膜の乱れ=支帯線維の乱れ=筋肉の乱れ(こわばり)』につながってしまいます。
そこでまずは筋膜と筋肉の連結性を正常化するために”支帯線維”を整えにいきます。
これが「筋膜リリース」の基本的な考え方です。
筋膜リリース=「静的圧迫」×「筋肉の自動運動」
筋膜リリースの基本は「静的圧迫」と「筋肉の自動運動」です。
テクニックの中では「プレス&ムーブ」とも呼ばれます。
これは
- 皮膚の上から筋膜を押さえる。
- 押さえられた筋膜の下の筋肉を動かす。
の2点が重要になります。
では流れを見ていきましょう。
<①静的圧迫>
まずは皮膚の上からそっと圧を加えます。
ここではマッサージのように筋肉に直接圧をかけるわけではないので、”軽い負荷”で大丈夫です。
<②自動運動>
続いてその状態で”押さえられている筋肉”を動かします。
すると、皮膚(筋膜)が押さえられた状態で下層の筋肉が動くので、中間部分の支帯線維に”ゆるみ”が生じてきます。
これによって筋膜と筋肉が”リリース(解放)”されていきます。
ただ、この時点ではまだ筋膜自体のコラーゲン配列は整っていません。
この後は”コラーゲン線維そのもの”の配列をキレイにする必要があります。
(*より詳しい”やり方”に興味のある方はこちらの記事もどうぞ:【筋膜リリースのやり方】きちんとできていますか?筋膜リリースの4ステップ。)
マッサージ、ストレッチとの違い
マッサージやストレッチというのは、筋膜と筋肉の両方に対して”同様の負荷”をかけていきます。
わかりやすく言えば
- マッサージ=筋膜と筋肉を同時に”圧迫”する
- ストレッチ=筋膜と筋肉を同時に”伸ばす”
です。
この観点でいけば
- 筋膜リリース=”筋膜”に「圧迫」をかけたまま”筋肉”を「伸ばす」
ことになりますので「マッサージをかけながらストレッチを行う」というニュアンスでも説明することができると思います。
ぜひ1人で行う際は、ケアグッズも活用していきましょう。
まとめ
今回は筋膜リリースの原理をまとめてみました。
基本となるのは「静的圧迫」×「自動運動」です。
マッサージやストレッチをいくらやってもなかなか成果が出ないときは「筋膜リリース」を試してみると、体が変化するかもしれません。
ではでは今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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