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- 「ストレッチをすると筋肉の出力レベルが下がり、筋力が落ちる。。」
- 「だから、運動前にはスタティック(静的)ストレッチをしないほうがいい。。」
確かにスタティックストレッチを実施した直後には、即時的な筋力低下が起こります。
ストレッチの強度にもよりますが、およそ15%の筋出力低下を示す報告もあり、運動直前のスタティックストレッチはNGだと言われています。
しかし、長期間にわたってスタティックストレッチを継続していくと、これとは違った反応が起こることが分かってきました。
意外な結果が。。!
これは2007年にKokkonenらが行った実験です。
ここでは
- 「トレーニング習慣のない大学生」を中心に
- 「下半身の筋肉群のスタティックストレッチ」を
- 「15秒×3セット、これを週に3回」
- 「10週間」継続
という条件で調査が行われています。
その結果が以下の通りです(一部抜粋)。
(実施前)→(10週間後後)
- 長座体前屈:36.2±5.5cm → 42.6±5.6cm
- 立ち幅跳び:211.2±42.3cm → 215.8±42.1cm
- 垂直跳び:43.1±12.4cm → 44.8±12.5cm
- 膝屈曲の筋持久力:17.2±3.4 → 22.3±4.7回
- 膝伸展の筋持久力:18.5±3.1 → 23.7±4.7回
なんと、ストレッチを10週間継続した結果、
「瞬発力」や「持久力」など、すべての種目の記録が向上したのです。
筋肉を伸ばす行為は「この組織は生きているよ」という生体反応となり、筋肉への”生存刺激”となります。
したがって、全く動かしていない状態よりは、筋肉への刺激(負荷)が大きくなるため、筋肉が発達すると考えられています。
過去にはラットを用いた生物実験において「継続的なストレッチによって対象ラットの筋肉が筋肥大を起こした」という報告も挙がっています。
このことから
- 運動不足の方
- 病気を患っている方
- 高齢の方
に対してはまず「スタティックストレッチ」を導入し、安全なやり方で最低限の筋力を底上げすることが大切だと考えられています。
【筋トレとの併用も可】
前述の実験は”ストレッチのみ”でしたが、Kokkonenらは「トレーニング初心者」を対象に
- 「トレーニングのみ」を実施する群
- 「トレーニング&休息日にスタティックストレッチ」を実施する群
に分けて8週間の経過を報告する実験も行っています。
結果的には「トレーニング&休息日にスタティックストレッチ群」のほうが、
筋力向上の程度が大きかったというデータが得られました。
じわーっと伸ばすスタティックストレッチは
「短期的」に見ると筋力低下を招きますが、「長期的」に見ると筋力の底上げになっているわけです。
”トレーニング直前期”以外の時間で行うストレッチは安全で効果的ですから、ぜひ積極的に取り入れていただきたいと思います。
まとめ
ストレッチは実施直後には筋出力を低下させますが、長期的にみると「筋力の底上げ」につながります。
- 「運動習慣のない…」
- 「トレーニング初心者の…」
を対象にした実験です。
今現在ムキムキの方がストレッチを始めても、目に見える筋力向上はなかなか難しいかと思います。
いずれにせよ、”トレーニング直前期”以外の時間帯でのストレッチであれば、特に大きな問題はありません。
怖がることなく、丁寧なストレッチを続けていきましょう。
ではでは今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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