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筋トレと違い、ランニングなどの有酸素トレーニングでは”目に見える変化”がなかなか起こりません。
しかし、継続していくと
- 心臓の”拍出量”が増える
- ”赤血球”が増える
- 筋肉内の”毛細血管”が増える
- ”遅筋”が増える
ことにより、同じ運動量をより少ない努力で実践できるようになってきます。
今日はこの「有酸素トレーニングによる効果」をまとめてみたいと思います。
①:心臓の「拍出量」が増える
ランニングによって、最も顕著に変化を引き起こすのが”心臓のパワー”です。
ランニングの別名は「心臓の筋トレ」であり、負荷を与えることによって徐々に適応し強くなっていきます。
(引用:id.artsより)
具体的には
- ”心筋壁の厚さ”が増えること
- ”左心室の容積”が増えること
によって”1回あたりに送り出す血液量(拍出量)”が増加していきます。
ポンプの力が大きくなると、その分だけポンプを使う”回数を減らす”ことができます。
これがいわゆる「(安静時)心拍数の低下」と呼ばれる現象です。
心拍数には上限があるので、安静時にはより少ない回数で維持できていたほうが運動時のパワー発揮につながります。
この状態を「徐脈:じょみゃく」ともいい、運動をしている人の安静時心拍数は”60拍/分”を下回ります(トップアスリートは40拍/分を下回ることも…!)。
『心筋が発達することで1回あたりの拍出量が増加し、心拍数が低下する』
これが1つ目の変化です。
②:「赤血球」が増える
ランニングを続けていくと、心臓だけでなく、血液の成分にも変化が生じてきます。
特に大きく変化するのが”赤血球の量”です。
(引用:boketeより)
赤血球というのは、血液に含まれる個体成分の1つであり「酸素」を運ぶ役割を持っています。
赤血球が増えれば、それだけたくさんの酸素を各部位に届けることができるようになりますから、長時間の運動が可能になります。
③:筋肉内の「毛細血管」量が増える
もちろんランニングの効果は心臓と血液だけでなく、筋肉にも影響を与えます。
筋肉においては、まず筋断面積における”毛細血管の密度”が高くなります。
(引用:50歳を過ぎたら生活習慣病ナビより)
毛細血管が張り巡らされるようになるということは、酸素や栄養素をより細部にまで届けられるようになるということです。
また動物実験においては、毛細血管の密度に加えて”細動脈の直径の大きさ”も変化したことがわかっています(「Duncker,D.J,and R.J.Bache.2008:1009-1086」より)。
④:「遅筋」が発達する
筋肉内で起こることは③だけではありません。
ランニングを継続することによって、筋肉内の”遅筋線維が発達する”ということもわかっています。
筋肉には大きく分けて
- 瞬発系の動きが得意な「速筋線維」
- 持久的な動きが得意な「遅筋線維」
という2種類の線維があります。
(引用:美侍より)
遅筋線維には、酸素を使ってじっくり大量のエネルギーを作り出す”酸化酵素”が数多く存在しています。
また
- ミトコンドリア=細胞内のエネルギー工場
- ミオグロビン=酸素を保持してくれる貯蔵器
が多いという特徴もあります。
遅筋線維の発達は、
- 酸化酵素の活性化
- ミトコンドリアの増加
- ミオグロビンの増加
をもたらし、持久力の向上へとつながります。
どのくらいの期間が必要?
適応期間については諸説あり、
- ”現在の体力レベル”(初期値が低ければすぐに適応しますが、経験豊富であれば伸び率は低いです)
- 運動の”強度”(心拍数をどの程度まで高めるか)
- 運動の”頻度”(週に何回行うか)
によっても影響を受けるので、一概には言えません。
ただ一般的な心拍数の低下は”2週間程度”で確認されており(最長でも10週間)、赤血球のターンオーバー周期は”120日程度”だと言われています。
したがって、最短で”2週間”、長くても”4ヶ月程度”継続することができれば、ある程度の変化は見込めるのではないかと思います。
ぜひ気長にコツコツと実践してみてください。
まとめ
継続的にランニングを行うと、
- 心臓の”拍出量”が増える→安静時心拍数が減る
- ”赤血球”が増える→酸素をたくさん運べる
- 筋肉内の”毛細血管”が増える→隅々にまで行きわたる
- ”遅筋”が増える→ミトコンドリア・ミオグロビン・酸化酵素が増加する
といった変化を期待することができます。
なかなか”目に見える”変化ではありませんが、持久力の向上は他ならぬ自分自身が最も感じられる変化の1つです。
ぜひコツコツと続けていきましょう。
では今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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