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より効果的に筋トレをしたい場合、
- 「+5kg」の重量を増やす
- 「+10cm」大きく動かす
このどちらを選択すればいいのでしょうか。
今日は「筋トレにおける仕事量」についてまとめていこうと思います。
トレーニングを”数字”で見る
皆さんは筋トレをする際、どんな基準で強度を測っているでしょうか?
一般的なトレーニングの強度設定は、
- 重さ
- 回数
- 頻度
- 1RM(最大挙上重量)の◯%
といった項目になっているかと思います。
しかし、トレーニング全体を俯瞰して見ていくためには「仕事量」という値に注目してみることが大切です。
”仕事量”を表す数式は「力×距離」です。
さらに、この”力”というのは「重量×重力加速度」によって求められます(いわゆる「f=ma」式です)。
難しい話はさておき…1つ具体例で考えてみましょう。
以下のトレーニングの内、より”きつく”感じるのはどちらでしょうか(イメージでOKです)。
- 「50キロ」の重量を”1m”持ち上げる。
- 「90キロ」の重量を”0.5m”持ち上げる。
回数は、同じく「10回」です。
そうですね、イメージとしては❷に行きがちです。
しかし、体全体にかかる負荷(仕事量)としては、実は❶のほうが大きいんです。
計算式は下記の通りです。
<①の仕事量>
- 力=50kg×9.8m/s2(重力加速度)=490N(単位:ニュートン)
- 距離=1m×10回=10m
- 仕事量=490N×10m=「4900Nm(J)」
*1Nm(ニュートンメートル)=1J(ジュール)です。
<②の仕事量>
- 力=90kg×9.8m/s2=882N
- 距離=0.5m×10回=5m
- 仕事量=882N×5m=「4410Nm(J)」
このように
- 50キロの重量を1m持ち上げる(10回)=「4900J」
- 90キロの重量を0.5m持ち上げる(10回)=「4410J」
となり、50キロの重量をより大きく動かしたほうが「仕事量」は大きくなります。
つまり持ち上げる回数が同じであれば、少々軽い重さであっても”大きく動かしたほう”がトレーニング効果は高まるわけです。
この事実をぜひ覚えておきましょう。
筋トレは「フル可動域」で!
効果的な筋トレのためには”ダンベルを動かす距離”、すなわち「可動域」を確保することが非常に大切です。
例えば、上腕筋を鍛える「アームカール」を行う際の”肘の角度”はどうなっているでしょうか?
重量にこだわってしまうと、肘のフル可動域である「0度→145度」までを動かすことは、とても難しくなります。
小さな可動域でのトレーニングは、見た目の重量こそ稼げるものの、効果は小さくなります。
同じ回数を持ち上げる場合には、可動域を”半分”にしたら重量を”2倍”にしなければ同じトレーニング効果(仕事量)は得られないわけです。
2倍の重量を持ち上げられないのであれば、重量をやや落としてでも、可動域を広げたほうが賢明です。
”5kg”重くするのであれば、もう”10cm”大きく動かしてみましょう。
だからストレッチが大事!
可動域が大切だからこそ、基礎的な体の柔軟性を高めるための「ストレッチ」も重要です。
特に
- 肩〜肩甲骨まわり
- 脊椎ライン
- 股関節まわり
- 膝まわり
はよく動くように、ストレッチしておきましょう。
以前のブログでも紹介しているように「筋トレ=体を硬くする」は定説ではありません(詳細はこちら→【筋トレとストレッチ】「筋トレをすると柔軟性が落ちる…」は本当!?)。
可動域を小さくし、重い重量で局所的に筋肉をいじめるような不適切な筋トレが”悪”なのであって、
- フル可動域を使う
- バランスの良いトレーニング
①②にあてはまる筋トレは、逆に柔軟性を高めるといった事実も報告されています。
ぜひストレッチと適切な筋トレを行い、関節を大きく動かせるようにしていきましょう。
まとめ
効果的な筋トレのためには「仕事量」への注目が重要です。
この値は「力×距離」によって表されるため、動作中の「可動域」がポイントになります。
持ち上げる回数が同じ場合、可動域を半分にしたら、重量は2倍にする必要があることを覚えておきましょう。
ぜひトレーニングの参考にしてくださいね。
では今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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