【ページコンテンツ:気になる箇所へのジャンプも可】
ストレッチの中には”静的”なストレッチと”動的”なストレッチがあります。
そしてこの”動的”なストレッチの中には
- バリスティックストレッチ
- ダイナミックストレッチ
という2種類のストレッチ方法が存在しています。
今日は「動的ストレッチのメカニズム」についてまとめていこうと思います。
動的ストレッチとは?
「動的ストレッチ」とは、文字通り”動きが伴うストレッチ”のことです。
ウォーミングアップで行う「ブラジル体操」や、元広島カープの前田健太選手が行っている「マエケン体操」なども動的ストレッチの1つとなります。
これらの動きは、多くの筋肉を動員しながらストレッチを行うことができるので
- 血流の促進
- 神経筋の調節・促進
- 主運動に対しての移行がスムーズになる
などの効果を得ることができます。
動的ストレッチの中でも最も主要なストレッチ方法、それが「バリスティックストレッチ」と「ダイナミックストレッチ」です。
バリスティックストレッチとは?
バリスティックストレッチとは「”脱力状態”を保ち、”反動の力”によって筋肉を大きく引き伸ばす」ストレッチのことです。
キーワードは
- 『脱力』
- 『反動』
です。
では具体例で見ていきましょう。
「太もも裏」のバリスティックストレッチ
ここでは、太もも裏(ハムストリングス)を例にして考えてみましょう。
まずは体の力を抜いて、足をゆっくり前後に振っていきます。
(引用:ムービングボディ 動きとつながりの解剖学より)
「遠心力」と「足の重さ」を利用し、股関節の可動域いっぱいまで足を動かしていくことがポイントです。
動きが大きくなってきたら、次は「骨盤の動き」を意識します。
バリスティックストレッチのポイントは
『足を振り上げたと”同時”に、骨盤を少し”前傾”させること』です。
(引用:同上)
この動きが取れると、太もも裏が大きく引き伸ばされることが実感できます。
これが「脱力」と「反動」を活用したバリスティックストレッチの動きになります。
ダイナミックストレッチとは?
一方で、ダイナミックストレッチは「”動きをコントロールする”ことで、筋肉を伸ばす」ストレッチです。
キーワードは
- 『相反神経支配』
- 『拮抗筋の収縮』
の2つです。
筋肉には「1つの筋肉が縮んだら、反対の位置についている筋肉はゆるむ」という性質があります。
これを「相反(そうはん)神経支配」といいます。
この時、縮んでいる筋肉を「主働(しゅどう)筋」といい、ゆるんでいる筋肉を「拮抗(きっこう)筋」といいます。
例えば”肘を曲げる動き”においては
- 主導筋=上腕二頭筋
- 拮抗筋=上腕三頭筋
となります。
(引用:http://kinniku-no-hanashi.comより)
”肘を曲げようとする力”が大きくなればなるほど(”上腕二頭筋”の収縮が強くなればなるほど)、上腕三頭筋は”緩み”、関節の動きを妨げないように働きます。
つまり、
『ゆるませたい筋肉の”逆”の筋肉に”あえて”力を入れ、ゆるませたい筋肉を脱力させる』
というのが、ダイナミックストレッチのポイントになります。
では先ほどと同じく、太もも裏へのストレッチを例にして考えてみましょう。
「太もも裏」のダイナミックストレッチ
動き出しのポイントは『”大腿四頭筋(太ももの前側)の力”を使って足を振り上げる』ことです。
(引用:ムービングボディ 動きとつながりの解剖学より)
このストレッチでは「太もも”裏”」を伸ばしたいので、あえて「太もも”前”」の筋肉を強く収縮させていきます。
大腿四頭筋の収縮力が強ければ強いほど、「相反神経支配」によってハムストリングスの筋肉は反射的に緩んでいきます。
”拮抗筋の収縮”によって”伸ばしたい筋肉をストレッチする”、これがダイナミックストレッチのポイントです。
外から見ると似たような動きですが、原理は全く違っていることをぜひ理解しておきましょう。
使い分けが大切!
続いてそれぞれのストレッチのメリットとデメリットを見ていきましょう。
<バリスティックストレッチのメリット>
<バリスティックストレッチのメリット>
- 関節可動域が通常時より大きく広がる。
- スポーツの動きに似ている(特異性がある)。
<バリスティックストレッチのデメリット>
- 伸ばせない筋肉がある。
- 体が硬い人、体温が上がっていない状態での実施にはリスクがある。
筋肉が十分に温まり、柔軟性が上がっている状態であれば、このストレッチは非常に有効です。
特にスポーツをする前の”ウォーミングアップ”としては効果を発揮するでしょう。
しかしながら、可動関節に付随していない筋肉に対しては実施できないというデメリットもあります。
例えば、首やお腹、背中周りの筋肉に対してのバリスティックストレッチは基本的にNGです。
このストレッチを実施する際は、
- 体温を上げ、柔軟性を高めておくこと
- 動きのリスクを考えること
の2点を考慮するようにしましょう。
より詳細はこちら→【バリスティックストレッチとは?】反動をつけ、筋機能を引き上げるバリスティックストレッチの原理とポイントとは?
<ダイナミックストレッチのメリット>
<ダイナミックストレッチのメリット>
- 動きをコントロールできるので、安全にストレッチできる。
<バリスティックストレッチのリスク>
- 疲労状態や冷えている状態で実施すると、攣ってしまうなどのリスクがある。
- 動かし方を理解していないと、惰性の動きになってしまう。
ダイナミックストレッチは大きな可動域こそ取れないものの、”安全に”筋肉をゆるませることができます。
ただ筋肉の収縮が伴うので、疲労状態が高い時や運動後は基本的にNGです。
また主導筋と拮抗筋の関係性を理解しておかないと、ダラダラとした動きになってしまうことがあるので注意が必要です。
*より詳細はこちら→【ダイナミックストレッチとは?】運動やスポーツの前に最適!動的ストレッチの原理とポイントとは?
まとめ
ではまとめてみましょう。
バリスティックストレッチとは、
「”脱力状態”を保ち、”反動の力”によって筋肉を大きく引き伸ばしていくストレッチ」のことです。
一方のダイナミックストレッチとは、
「ゆるませたい筋肉の”逆”の筋肉に”あえて”力を入れ、ゆるませたい筋肉を脱力させるストレッチ」のことです。
ぜひ両者のメリットを知り、目的に応じて使い分けられるようにしましょう。
では今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
【シェア・ブックマークも忘れずに】
この記事の他にも「体のケア」に関するお役立ち情報を多数掲載しています。
「また後で見に来よう!」で見失わないように、シェア・ブックマークボタンをぜひご活用ください。
では改めまして…いつもありがとうございます。
コメントを残す