【有酸素トレの運動強度】ランニング強度を測る3つの方法とは?

ハテナちゃん
ランニングの強度を測る方法って何があるんですか?

前回のブログでは、ランニングの強度設定には”心拍数の設定”が重要であるということをお伝えしました(詳細はこちら→【有酸素トレの強度設定】)。

強度設定には、大きく分けて以下の3つの方法があります。

  1. %年齢推定最大心拍数(%APMHR法)
  2. %予備心拍数(カルボーネン法)
  3. 主観的運動強度(RPEスケール)

今回は「ランニングの強度設定」をより専門的な目線で見ていきたいと思います。

 

①:%年齢推定最大心拍数

「%年齢推定最大心拍数(APMHR法:Age Presumption Maximum Heart Rate)」というのは、心拍数を設定する上で最もシンプルな方法です。

流れとしては、

  1. 最大心拍数の推定値を求める(「220ー年齢」
  2. ①の何%の強度で運動するかを決める

という2つの項目を行います。

前提として覚えておくべきことは”酸素摂取量””心拍数”の間には密接な関係性があり、

最大酸素摂取量の”55~75%”最大心拍数の”70~85%”

という一般式があるということです。

そしてこの数値は、ランニングの運動強度を設定する上で、1つの基準値になることを覚えておきましょう。

Tomy
では実践しやすいように具体的な例で見ていきましょう!

ここでは30歳の健康な女性(Aさん)を例にして考えてみます。

Aさんの最大心拍数の推定値は「220ー30歳」で”190拍/分”です。

運動強度を最大心拍数の70~85%と設定すると(190×0.7=133 / 190×0.85=161)、心拍数のおおよその目安は”135〜160拍/分”ということになります。

心拍数をモニタリングしながら、この範囲内でランニングをするようにしてみましょう。

ハテナちゃん
135拍/分を下回っていたらラクな運動になりますし、160拍/分を上回っていたら少しキツイ運動になるということですね。

 

②:%予備心拍数(カルボーネン法)

続いて紹介するのは「カルボーネン法」と呼ばれる心拍数の測定方法です。

ここでは”予備心拍数”という考え方を使います。

ハテナちゃん
予備心拍数…?

”予備心拍数”というのは、心臓がどれだけ”余分に”働くことができるかを示す指標です。

これは最大心拍数から”安静時心拍数”(起床時における最も安定した心拍数の値)を引くことで算出できます。

この数値の”50~85%”というのが、強度設定における1つの目安になります。

ハテナちゃん
よくわからないので具体的にお願いします。。

では先ほどと同じ、30歳の健康な女性(Aさん)で考えていきましょう。

Aさんの推定最大心拍数は”190拍/分”です(220-30)。

Aさんが朝、目覚めた時に測定した安静時心拍数が”70拍/分”だとすると、予備心拍数は190-70で「120拍/分」ということになります。

Tomy
1分間に最大120回分の”増加幅”があるということですね!

運動強度の設定としては、予備心拍数の50~85%というのが基本ですから、

120×0.5=60拍/分、120×0.85=102拍/分

という数値が算出されます。

この値はあくまで予備心拍数の増加幅ですので、これを安静時心拍数に上乗せしていきます。

すると、

70+60=130拍/分、70+102=172拍/分

となり、運動強度の目安は”130~172拍/分”ということになります。

ハテナちゃん
①のやり方でも”135~160拍/分”だったので、そこまで大きな差異はありませんね。

この予備心拍数を使うことのメリットは、一人ひとりの体力に合った運動強度を設定できるということです。

①の方法では体力レベルを考慮しないため(年齢だけに基づいているため)、体力のない人にとってはかなりキツイ強度になってしまうことがあります。

安静時心拍数を測定し、今の体力レベルに見合った運動強度に設定するようにしましょう。

 

③:主観的運動強度(RPEスケール)

①②は心拍数に基づいて、運動強度を設定してきました。

確かに心拍数は客観的な指標になりますが、体力レベルが著しく低い人(もしくは高い人)にとってはあまり有効ではないこともあります。

Tomy
体力レベルが低い人は最大心拍数50%でもゼェゼェしてしまうでしょうし、体力レベルが高い人は最大心拍数の85%でも涼しい顔で走ってしまいます。

そこで大事なのが「主観的運動強度(RPE:Rating of Perceived Exertion)」という考え方です。

これは運動強度を

  1. 全く努力なし(横になっているだけ)
  2. ほぼ努力なし
  3. 非常に楽な運動
  4. 楽(ずっとできそう)
  5. 中程度
  6. ややきつい(少し苦しさがある)
  7. きつい
  8. かなりきつい(努力が必要)
  9. 非常にきつい(長くは継続できない)
  10. 最大努力(これ以上は無理)

という主観的な”10段階”で示します。

”心拍数の値””主観的な強度”をすり合わせることで、今の体力レベルに基づいた運動強度を設定できるようになります。

ハテナちゃん
なるほど!これだと今の運動がその人にとって十分な強度になっているかどうかがわかるんですね!

しかし、主観的になるゆえデメリットもあります。

そもそも一般の人が「レベル10」を体験することはほぼ不可能であり、強度の申告はとても曖昧です。

また”運動様式”によってもバラつきがでます。

心拍数が同じ場合でも、得意なランニングだと「レベル5」、苦手な水泳だと「レベル8」というような誤差が生まれることがあります。

したがって、「主観的運動強度」のみで強度設定を行うのは△です。

心拍数と照らし合わせることを忘れないようにしましょう。

Tomy
主観的要素だけだと心理的に「壁」を作ってしまうんですね。成長するためにも客観的指標はやはり必要です。

 

まとめ

体力を効率的に高めていく上では、強度設定が大切です。

  1. %年齢推定最大心拍数(%APMHR法)
  2. %予備心拍数(カルボーネン法)
  3. 主観的運動強度(RPEスケール)

という方法も上手に活用して、最適な運動強度を設定しましょう。

では今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

うぱ
今日もありがとうぱ!

 

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Tomy先生
千葉県出身。 現在は「健康」×「教育」の仕事に従事。 将来の夢は「全ての人が毎日身体のケアをする文化を創ること」。 ”歯磨きすること”と同じくらいの感覚で、体のケアをする文化が広まれば、きっと世界を変えていける!と信じている。 マイペースで群れることが嫌いな典型的なB型気質。西新宿にて週末個人サロン「Tomy's room(トミーズルーム)」を運営中。 ◯順天堂大学スポーツ健康科学部スポーツ科学科(スポーツ医科学専攻) ◯日本ストレッチング協会:認定ストレッチインストラクター<JSA-CSI> ◯全米ストレングス&コンディショニング協会<認定パーソナルトレーナー(CPT)&認定SCスペシャリスト(CSCS)>