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人の体を触っていくと、つらくなっている首や肩で「ゴリっ!」という筋肉の”塊”に遭遇することがあります。
おそらく今これを読んでいる皆さんも、日々そんな塊と遭遇しているのではないかと思います。
今日は「ゴリっ!」の正体を突き詰めていきましょう。
「ゴリっ!」の正体
ゴリっという塊の正体…。
これは筋肉内の「筋硬結:きんこうけつ」と呼ばれるものである可能性が高いです。
筋硬結とは、1843年ベルリンの内科医であったFroriep氏がリウマチ患者の筋の中に「有痛性の硬い塊」を発見し報告したのが始まりです。
大きな特徴としては、
- ”局所的”に生じる(筋肉”全体”には現れない)。
- 圧迫した時に”痛み”を感じる。
- 筋肉の方向と”垂直”に皮膚を滑らせたときに、直接触ることができる。
などがあります。
そもそも筋硬結とは、筋線維の”膠着(こうちゃく)状態”です。
膠着というのは「ある状態が固定して、動きがなくなること」を指す言葉です。
発生のメカニズム
では発生のメカニズムも見ていきましょう。
まずは筋肉が収縮する仕組みからです。
脳から筋肉に対して「収縮せよ!」という命令が入ると、その命令は”電気信号”となって筋線維の周りを覆っている「筋小胞体」という”膜”を刺激します。
刺激された”膜”は「カルシウム(イオン)」を放出し、筋線維内のカルシウムイオン濃度を高めます。
このカルシウムイオンが一定の濃度を迎えると、筋肉内の「アクチン線維」と「ミオシン線維」という2つの線維が”連結”し、収縮を起こします。
(引用:Yahoo!ブログ – Yahoo! JAPANより)
すなわち筋肉の収縮というのは、
- ”神経”からの刺激が入る
- 筋肉内の”カルシウム濃度”が上がる
- アクチンとミオシンが”連結”する
- ミオシンがアクチンを”引っ張る”
という一連の流れで構成されています。
しかしながら筋肉に”過剰なストレス”がかかってくると、カルシウムイオンの放出が”慢性化”してきます。
これはすなわち、筋肉内のカルシウムイオン濃度が常に高い状態である、ということです。
するとアクチン線維とミオシン線維は連結しっぱなし(くっつきっぱなし)になり、次第に膠着してきます。
この膠着は、さらなる”血行不良”を招きます。
膠着が進めば進むほどに、筋肉内における「酸素不足・エネルギー不足」が顕著になり”痛みの発痛物質”が拡散されていきます。
その結果として「ゴリっとした痛みのある塊」に進化してしまう…と考えられています。
「ゴリっ!」への対処法
まず心がけておくべきことは、対処は”早ければ早いほどいい”ということです。
膠着が強まってしまうと柔らかくするのは難しいので「やや凝っているな…」程度の段階でほぐしていくことが大切です。
<対処法>
前述したように筋硬結は膠着状態ですから、まず「アクチン線維とミオシン線維の”解除”」が必要になってきます。
この”解除”に必要なのは「新しい血液」であり、その中に含まれる”エネルギー源”です。
ミオシン線維の先端に「ATP」と呼ばれる”エネルギー源”が行き着くと、アクチン線維との連結が”解除”されます。
(引用:自宅で学ぶ高校生物より)
しかし、この時にまだ筋肉内のカルシウムイオン濃度が高いままだと、再び”連結”してしまいます。
筋肉に対する慢性的なストレスを取り除くことも忘れないようにしましょう。
<必要なもの>
”解除”のために必要なのは、
- 血液の良好な流れ
- 姿勢、動作の見直し
の2つです。
ケアをする際は、
- 温めること=入浴、ホットパック、軽い有酸素運動
- ほぐすこと=マッサージ、筋膜リリース
- 伸ばすこと=スタティックストレッチ
の3ステップで行うのがオススメです。
まとめ
筋硬結は筋肉の一部が”塊”となってくっついてしまっている状態ですから、当然筋肉全体のバランスも乱れてきます。
「疲れてきたなぁ、筋肉が張ってきたなぁ…」の段階での”早めの対処”を心がけていきましょう。
では今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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