【ページコンテンツ:気になる箇所へのジャンプも可】
- 「ストレッチは、筋肉をゆるめて筋力を落としてしまうから、やらないほうがいい」
- 「ストレッチをすると、ベースとなる筋力が上がるから、やったほうがいい」
一言でストレッチといっても、いろいろな説があって迷ってしまいます。
今日は「筋力とストレッチ」の根本部分を考えてみたいと思います。
ストレッチと筋力の関係性
結論からいくと、
「ストレッチは筋力を増加させることもあるし、減少させることもある」
これが正解です。
<ストレッチの目的>
そもそもストレッチというのは、筋関節に対して「伸ばす刺激」を与える行為です。
これにより
- 筋肉ー腱システムの柔軟性向上
- 関節可動域の拡大
この2点が大きな目的となっています。
<筋力とは?>
筋力とは「筋肉が発揮する力」のことです。
基本的には「筋断面積の大きさ」に比例し、大きく太い筋肉を持っている人ほど筋力は強くなります。
では柔軟性は筋力にどのような影響を与えるのでしょうか。
そもそも、もし筋断面積が同じだとしたら「長さ変化」の大きい筋肉のほうが筋力は強くなります。
例えば、足首の「底屈力:ていくつりょく」で考えてみましょう。
(引用:ストレッチポール公式ブログより)
この動きを生み出す筋力の源は、ふくらはぎ(腓腹筋)の筋肉です。
- 「底屈」した状態から、さらに「底屈」する力
- つま先を上げた状態から、大きく「底屈」させる力
この2つの動きだと、②のほうが大きな筋力を発揮出来ることがイメージできるでしょうか。
筋力は「長さ変化」が大きいほど、発揮力も大きくなります。
ストレッチによって関節可動域を広げることができれば、同じ筋肉でも発揮される筋力は大きくなっていくわけです。
つまり、ストレッチの効果を”長期的”に見たとき、筋力は「上がる」とされています。
筋力が落ちるとはどういうこと?
では「筋力が落ちる」というのはどういうことなのでしょうか?
Avelaら(1995)が行った「ストレッチング後のふくらはぎでの筋力測定」の実験をもとに考えてみます。
この実験では、健康な被験者に対して1時間に及ぶ「パッシブストレッチ(均一な負荷がかかるようマシンによる受動的なストレッチ)」を行っています。
ストレッチング後、ふくらはぎの状態は
- 最大随意収縮力=23%減少
- 平均筋活動=20%減少
という結果でした。
そもそも筋肉や腱は「弾力性(弾性エネルギー)」を持っています。
”1時間に及ぶパッシブストレッチ…”によって「弾力性(弾性エネルギー)」を大きく失ったことが、この筋力低下の主な要因と考えられています。
つまり、ストレッチの効果を”短期的”に見ると、筋力は「下がってしまう」わけです。
ストレッチの活用
前述した内容をまとめると、
- ”長期的”なストレッチ=関節可動域の拡大=筋力の”向上”
- ”短期的”なストレッチ=弾力性の一時的な低下=筋力の”低下”
となります。
この2点を混同してしまうと、思わぬ怪我やパフォーマンス低下につながってしまう場合があります。
ストレッチがNGなのは、あくまで”運動直前期”です。
ストレッチ後15〜20分ほどは筋力低下の影響を受けてしまうとされていますから、高強度の筋トレや激しい運動を行うのは△です。
(引用:stretchpole-blog.comより)
一方で高齢者や運動不足の人にとっては、継続的なストレッチでわずかな”筋肥大”を起こしたという報告も挙がっています。
筋力の維持向上のために、ぜひ定期的なストレッチは続けていきましょう。
まとめ
一言でストレッチといっても長期で見るか、短期で見るかによって、その効果も異なります。
- 長期で見ると、筋力向上↑
- 短期で見ると、筋力低下↓
ぜひしっかりと認識し、適切なタイミングで適切なストレッチを実施してください。
ではでは今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
【シェア・ブックマークも忘れずに】
この記事の他にも「体のケア」に関するお役立ち情報を多数掲載しています。
「また後で見に来よう!」で見失わないように、シェア・ブックマークボタンをぜひご活用ください。
では改めまして…いつもありがとうございます。
コメントを残す