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何度も体をほぐしていくと、次第に体は刺激(圧)に慣れていき、知覚は鈍化します。
仮に知覚が鈍化していたとしても、必要以上の刺激(圧)が入れば「内出血」や「圧迫骨折」といった事故は起こってしまいます。
ウェバー・フェヒナーの法則
知覚における有名な法則の1つに「ウェバー・フェヒナーの法則」というものがあります。
これは精神物理学者のウェバー氏と、その弟子のフェヒナー氏が発見した法則です。
たとえば、今ここに「塩」の山があるとします。
まずは「100g」を手に取り、目をつぶります。
そこに友人が1gずつ塩を加えていきます。
101g、102g、103g…手に乗せられた塩は増えていきますが、ここではまだ「重さの変化」を感じません。
109g、110g…「あ、今重くなった」!
10gを乗せた時に”重さの変化を感じた”ということは、その人が「原強度の10%増加で、変化を感じる”感覚力”を持っている」ということです。
少し時間をおいて、次は200gで実験します。
同じ要領で目をつぶって1gずつ増加させていくと、おそらく218g、219g、220g…
このタイミングで「あ、今重くなった!」と重さの変化を感じることができると思います。
この人は同様に
- 300gなら330g
- 700gなら770g
- 1000gなら1100g
にて重さの変化を「感じる」ことができます。
これを「ウェバー・フェヒナーの法則」といいます。
この法則は、人間の”感覚値”に関する法則であり、個人の中での感覚値の大きさ(割合)は変化しないとされています。
個人の中での感覚値の大きさ(割合)が変化しないということは、原強度が大きければ大きいほど、知覚は鈍くなるということです。
例えば、感覚の割合が「原強度の10%」としたとき、
始めに”50”の力が加わった時は”55”の段階で変化を感じることができます。
しかし、始めに”100”の力が加わってしまった時は”110”になるまで変化を感じることができなくなってしまいます。
この法則は”感覚”に共通するものです。
触覚だけでなく、視覚(明るさ)や聴覚(音の大きさ)などでも同様のことがいえます。
慣れゆえに鈍化が起こってしまうと、体への負担が大きくなりますから注意しましょう。
いつものマッサージが物足りないという方へ
いわゆるマッサージにおいても「もっと、もっと…」を繰り返していくと、体の知覚は徐々に鈍化していきます。
最初から強い圧を入れるということは、”原強度が大きくなる”ということです。
原強度が大きくなればなるほど、変化を感じる幅は広がっていきます。
それによって、少々の圧の増減では感じることすらできなくなってしまいます。
対応策はいたってシンプルです。
- 刺激の「種類」を変えること。
- 原強度を「小さめ」からスタートすること。
たとえば
- ただ単に伸ばされても感じないなら、揺らしながら伸ばしてみる。
- ただ単に押されても感じないなら、温めてから押してみる。
- ほぐす順番を変えてみる。
刺激の種類そのものを変え、”感覚をリセットすること”が大切です。
またその際には必ず”小さい刺激から”圧を入れていくのもポイントです。
いきなり「1000」を感じてしまったら、その後50〜60追加しても変化を感じることはできません。
最初はちょっと「物足りない」くらいで丁度いいわけです。
まとめ
圧の強さの感じ方は、個人差が大きく、全てを解決する手段は存在しません。
しかし、
- 刺激の「種類」を変えること。
- 原強度を「小さめ」からスタートすること。
の2点は様々な場面で有効になる手法です。
もしそのようなお客様を対応する場合には、ぜひこの法則を思い出して対応してみてください。
では今日も最後までお読み頂きありがとうございました。
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