【ページコンテンツ:気になる箇所へのジャンプも可】
筋肉を動かすためには、エネルギーが必要です。
今日は少し専門的な内容も交えて「体の中でエネルギーを生み出す仕組み」をまとめていこうと思います。
エネルギーが生まれる仕組み
まずは基本的なところから見ていきましょう。
食事で取り入れられた食べ物は、
- 「歯」によって噛み砕かれて
- 「胃」で消化され
- 「小腸」で吸収されて
- 「肝臓」で合成された後に
- 「血液」によって体の各組織へ運ばれて行きます。
この消化器官を通る過程で、食べ物は「小さな粒子(以下:グルコース)」へと形を変えていきます。
さらにこのグルコースは細胞の中で分解されて「アデノシン3リン酸(以下:ATP)」というエネルギー源に形を変えます。
このATPが”分解”される際に「筋肉を動かす力」が発生します。
この過程には、以下の3つの仕組みが存在しています。
- クレアチンリン酸系(ホスファゲン機構)
- 解糖系(無酸素系)
- 酸化系(有酸素系)
【①クレアチンリン酸系(ホスファゲン機構)】
筋肉の中には、微量ながら常にATPが存在しています。
「クレアチンリン酸系」というのは、すでに筋肉内に存在しているATPを使ってエネルギーを生み出す仕組みのことです。
この仕組みでは運動の種類や強度にかかわらず、全ての運動開始時の「2〜7秒」で使われるエネルギーを生み出しています。
当然ATPは使われると、枯渇してしまいます。
この枯渇したATPをすぐに補給するのが「クレアチンリン酸」という物質です。
しかし、筋肉内に蓄えられている「ATPの量」にも「クレアチンリン酸の量」にも”限度”がありますから、エネルギー供給はすぐにストップしてしまいます。
補いきれなくなった時に続いて現れるのが「②解糖系(無酸素系)」です。
【②解糖系(無酸素系)】
①はすでに筋肉内に存在しているATPを活用していましたが、ここからは前述したグルコースからATPを”作り出す過程”が含まれます。
解糖系は名前の通り「”糖”を分”解”する」ことによってATPを作り出します。
したがって、エネルギーの源は「糖質」です。
炭水化物は消化器官によって分解されて、最終的にはグルコースになります。
このグルコースに対して筋肉内の「酵素」が反応すると、1つのグルコースから「2個のATP」が生み出されます。
*正式には4個生み出されますが、生み出す過程で2個のATPを使用するので結果は2個です(*ちなみにこれは血中グルコースの場合です。筋グリコーゲンから生成される場合には3個のATPが残ります)。
ATPを作り出した後のグルコースは”抜け殻”状態になり、これを「ピルビン酸」といいます。
このピルビン酸に
- 酸素がくっつくけば→「アセチルCoA」となって「③酸化系」へ突入
- 酸素がくっつかなければ→「乳酸」に変身
となります。
ここで生み出されるエネルギーは「60〜90秒」ほどの持久力をもち、ミドルパワーを支えます。
これでも補いきれなくなった際に現れるのが「③酸化系(有酸素系)」です。
【③酸化系(有酸素系)】
酸化機構は
- ”2分以上”の運動の時
- 全く筋活動が発生していない時(安静時)
に使われる仕組みです。
ここでは筋細胞内の「ミトコンドリア」という器官において「酸素」を活用してエネルギーを作り出します。
この仕組みにおいては、糖質・脂質・たんぱく質の全てがエネルギー源になります。
しかし、どんなエネルギー源にせよ、ミトコンドリアの中に入る際には「アセチルCoA」という形をとります。
この酸化機構から生まれるエネルギー量は膨大で
- 1つのグルコース(糖質)→38個のATP
- 1つのグリセリド(脂質)→147個のATP
を作り出されます。
材料であるエネルギー源の枯渇を感じた場合は、自らの筋肉を分解してエネルギー源にすることもできます(これを「糖新生」ともいいます)。
人間の体は無意識のうちに
- 「運動の強度」
- 「運動の時間」
に基づいて、これらのエネルギー機構を使い分けているのです。
まとめ
3つのエネルギー機構についてイメージできましたか?
- クレアチンリン酸系(ホスファゲン機構)
- 解糖系(無酸素系)
- 酸化系(有酸素系)
生理学・化学の内容は、名称や仕組みが複雑なことから敬遠されがちです。
しかし、原理は意外とシンプルところにあります。
ぜひ「喰わず嫌い」をせずに勉強してみてください。
ではでは今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
【シェア・ブックマークも忘れずに】
この記事の他にも「体のケア」に関するお役立ち情報を多数掲載しています。
「また後で見に来よう!」で見失わないように、シェア・ブックマークボタンをぜひご活用ください。
では改めまして…いつもありがとうございます。
コメントを残す