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「ストレッチをやろう!」と決意して実践していても、なかなか効果がでない…という人もいるかと思います。
今日は「ストレッチの効果的なやり方」についてまとめていきます。
ぜひ参考にしてみてください。
4つのポイント
ポイントの説明に入る前に、まずは何をもってして効果が出たかとする定義付けをしておきましょう。
ストレッチをしていくと、
- 血流が促進される。
- 体温が上がる。
- 疲労が抜けやすくなる。
- 可動域が広がる(体が柔らかくなる)
- 運動のパフォーマンスが上がる。
といった効果が期待されます。
多くの人にとってのストレッチの“効果”は、おそらく「④」あたりではないでしょうか。
①②③は実感こそできても”目に見える効果”としては不十分です。
やはり、
- 背中で手と手がつくようになった!
- 前屈したら、指先が床についた!
- 開脚の角度が広がった!
という実際に「できるようになったこと」がストレッチの効果としては妥当でしょう。
そこで今回は「可動域を広げる」ためのポイントを紹介します。
ポイントは大きく分けて4つです。
- 狙っている筋肉は適切か。
- ストレッチのフォームは適切か。
- 伸ばしている時間は十分か。
- ストレッチの頻度(回数)は十分か。
では1つずつ見ていきます。
<①狙っている筋肉は適切か>
関節の動きを広げていくためには、その動きに直結している筋肉を適切にストレッチする必要があります。
キーワードは”大筋群”&”二関節筋”です。
二関節筋というのは、1つの筋肉で2つの関節をコントロールしている筋肉を指しています。
初期のストレッチとして特に狙いたいのは
- 胸鎖乳突筋
- 大胸筋
- 僧帽筋
- 広背筋
- 臀筋群
- 腸腰筋
- ハムストリングス
- 大腿四頭筋
- 腓腹筋
といった筋肉群になります。
しかしながら、こういった二関節筋はなかなかストレッチがしにくい…というデメリットがあります。
簡潔に言えば、”2つの動作”が必要になるからです。
一例として、太ももの裏側に存在している「ハムストリングス」を見てみましょう。
この筋肉は骨盤(坐骨)から始まり、股関節とひざ関節を越えて、下腿に付着しています(以下画像引用:http://kinniku-no-hanashi.comより)。
この筋肉の動きは”股関節”と”膝関節”という2つの関節をまたいでいるため、両者に影響を与えています。
したがって、ハムストリングスをストレッチする場合には
- ひざを伸ばす動き(伸展)
- 股関節を曲げる動き(前方屈曲)
という2つの動きを組み合わせる必要があります。
しかし、筋肉が硬かったり、運動感覚が悪かったりすると”2つの動作を組み合わせる”というストレッチ姿勢を上手にとれない場合があります。
ぜひ狙うべき筋肉を明確にイメージできるようになりましょう。
<②フォームは適切か>
これは①の内容ともつながってきます。
ストレッチとは「筋肉を伸ばす」ことですが、もう一歩踏み込んで定義付けを行えば”筋肉の起始と停止をなるべく遠ざける行為”となります。
例えば、太もも前側の「大腿四頭筋」を見ていきましょう。
この筋肉は先ほどのハムストリングスとは対極の位置にあり、”ひざを伸ばす”役割を担っている筋肉です。
大腿四頭筋をストレッチするためには、起始である「大腿骨上部(骨盤内の下前腸骨棘)」と「下腿」をどれだけ遠ざけられるかが大切になります。
したがって
- いかにひざ関節を大きく曲げるか(屈曲)
- いかに骨盤を後傾させるか(後傾)
がストレッチのポイントになります。
下の写真のように、骨盤が前傾して腰が反ってしまうと↓
(引用:筋トレぴろっきーより)
大腿四頭筋の起始の1つである下前腸骨棘がひざ方向に近づいてしまうため、筋肉の長さは短くなり、ストレッチ効果は半減してしまいます。
筋肉の構造やストレッチの原理を理解せず、見よう見まねで行ってしまうとかえって体を痛めてしまうこともあります。
何より”目に見える効果”が現れないので、モチベーションも保ちにくいと思います。
ぜひ筋肉の起始と停止を理解して、それらを遠ざける動きを心がけてください。
<③伸ばしている時間は十分か>
ストレッチの効果を感じられない人の特徴として”伸ばす時間が短い”ことが挙げられます。
痛みは体の防御反応の1つですから、無理は禁物です。
しかし、伸ばしていかなければストレッチ効果は得られません。
痛みが出るか出ないかギリギリのところでキープをし、最低でも”15〜20秒程度”はその姿勢を保ちましょう。
過去の研究(NcNairら(2000))では
- 筋肉の粘弾性抵抗(いわゆる弾力性)はストレッチ開始後”15秒”で低下
- 腱の抵抗力(いわゆる腱の硬さ)はストレッチ開始後”20秒”で低下
したことが報告されています。
(*ただ高齢者をターゲットにした実験ではまた別の報告もあります。こちらはあくまで一般的な参考値として認識しておきましょう。)
まずはストップウォッチ等も活用しながら”15〜20秒程度”はその姿勢を保ち続けてみましょう。
詳細はこちらの記事もどうぞ:【伸ばす時間】結局のところ、ストレッチは何秒くらいキープすべき!?
<④頻度(回数)は十分か>
ストレッチの効果を感じられない人の特徴には”頻度が少ない”ことも挙げられます。
筋トレの場合は筋線維にダメージを与えてしまうため、ある程度の回復期間を設定します。
しかしストレッチの場合は体に対するダメージも小さいため(むしろ血流を促進させて疲労を抜く効果も期待できるため)”毎日”行っても何ら問題はありません。
Taylorら(1990)は、休憩を挟みながら同じ力で連続してストレッチをかけるという実験をしています。
その結果、
- 筋肉-腱における塑弾性変化(形状が柔らかくなること)の75%は”4セット目”までで起こること
を発見しました。
したがって、ストレッチは1日の中で連続して”4セット”程度行うことが大切です。
まとめ
ストレッチで目に見える効果を出すためには、きちんとしたやり方で継続する必要があります。
- 狙っている筋肉は適切か(大筋群・二関節筋)
- ストレッチのフォームは適切か(起始と停止)
- 伸ばしている時間は十分か(15〜20秒)
- ストレッチの頻度(回数)は十分か(4セット)
この4点を心がけながら、まずは”2ヶ月間”行ってみましょう。
ぜひ結果が出るまで”毎日”続けてみてください。
では今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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