【疲労のメカニズム】どうして疲労は溜まっていくの?(疲労を招く4大要因)

【ページコンテンツ:気になる箇所へのジャンプも可】

ハテナちゃん
疲労って何ですか…?どうして体は疲れていくんですか??

そんな根本的な疑問を抱いたことはありませんか?

一般的に言う「疲労」とは、ある作業を続けていく際に生じる「作業量と作業効率が低下した状態」のことです。

今日はこの「疲労のメカニズム」について考えてみたいと思います。



疲労の定義とは?

そもそも「疲労」というのは、人間だけでなく全ての生き物に生じる生理現象の1つです。

これは過労や健康破壊から体を守る「自己防衛反応の1つ」でもあります。

Tomy
もし、私たちの体が疲労を感じられないと…体はやがて極度の過労状態に陥り、健康を損ねてしまいますね。

この「疲労状態」を生理学的には以下のように定義しています。

『何ら医療の手立てを用いることなく回復可能な、身体諸機能の低下現象』

ポイントは「何ら医療の手立てを用いることなく…」です。

ハテナちゃん
医療の手立てがいらない、っていうのはどういうことですか?
Tomy
要するに「寝ること(休むこと)」でスッキリ回復できるということです。

身体機能が低下した状態を「睡眠」「休養」で回復することができるか否か、これが”疲労””病気”を分ける境界線になっています。

 

<疲労の種類>

疲労には要素に応じて、いくつかの種類があります。

”部位別”の要素として、

  • 局所性疲労=デスクワークや軽作業によって、腕や足など「体の一部」に生じる疲労。
  • 全身性疲労=水泳やランニングなどによって、「体全体」に生じる疲労。

”活動内容”によって

  • 精神疲労=精神活動による「大脳」の疲労。
  • 肉体疲労=筋活動による「筋肉全体」の疲労。

”神経支配”の内訳として

  • 中枢性疲労大脳脊髄の神経細胞に生じる疲労。
  • 末梢性疲労運動神経、筋紡錘などの知覚神経終末に生じる疲労

”時間経過”によって

  • 急性疲労=運動によって生じ、短期間の休養で回復する疲労。
  • 慢性疲労慢性的なストレスによって疲労が蓄積し、短期間の休養では回復しない疲労。

などの種類が存在しています。

ハテナちゃん
へぇ〜、一言で「疲労」と言ってもいろいろな種類があるんですね。

次に「疲労が起こる4大要因」についてまとめていきます。

 

疲労のメカニズム

疲労は大きく分けると、以下の「4大要因」に基づいて発生しています。

  1. 疲労物質の蓄積
  2. エネルギー不足
  3. 体内バランスの乱れ
  4. 伝達不良

では1つずつ見ていきましょう。

【①疲労物質の蓄積】

「疲労物質」として主に考えられているのは

  • 乳酸
  • 焦性ブドウ酸
  • クレアチン
  • タンパク質の分解産物
  • その他、中間代謝産物

などです。

その中でも代表的な疲労物質は「乳酸」です。

ハテナちゃん
運動をしているときの「乳酸が溜まって…」のあの”乳酸”ですか?
Tomy
そうです。運動時の「体の重さ」を引き出すあの”乳酸”です。

乳酸というのは「糖(エネルギー源)」”無酸素的”に分解されたものです。

ダッシュやジャンプなどの瞬発系の動きをすると、短時間で大きなエネルギーが消費され、「乳酸」が筋肉内に多数発生します。

ここに「酸素」が加われば、再びエネルギー源として活用できますが、

低酸素状態が続いてしまうと、乳酸が筋肉内に居座り続けることになってしまいます。

Tomy
酸素が回ってこないと、乳酸はずっと乳酸のままなんですね。

乳酸濃度が上がると、筋肉内は次第に”酸化”されていき、筋線維の収縮能力が低下してしまいます。

(*乳酸濃度が0.3%に達すると、筋線維は収縮不能に陥ります。)

この状態が「身体諸機能の低下」であり、”疲労”状態です。

ハテナちゃん
乳酸を除去することが、疲労を取るためには大切なんですね。

しかし「疲労=乳酸の蓄積」という考え方は△です。

そもそも「乳酸」は、筋疲労(糖の無酸素的分解)によって生じるものなので、精神的作業(デスクワーク、人間関係等)においては発生しません。

Tomy
「体を動かしていない」時の疲労は、乳酸ではなく他の要因が考えられるわけですね。

 

【②エネルギー不足】

2つ目の要因は体内の「エネルギー不足」です。

体内のエネルギー源となっているのは「糖質:グルコース」です。

Tomy
筋肉も、脳も、神経系も、エネルギー源がなければ活動することはできません。

運動をすると

  1. 筋肉内に溜められている「筋グリコーゲン」
  2. 血中に流れている「血中グルコース」
  3. 肝臓に蓄えられている「肝グリコーゲン」

が順番に分解され、エネルギーを供給していきます。

体内がエネルギー不足に陥ると、

  • 筋収縮能力の低下
  • 神経系の伝達能力の低下

が起こります。

これが「思ったように体を動かせない状態」を作り上げ、「身体諸機能の低下」へとつながります。

Tomy
この状態がまさしく”疲労”なんですね。

 

【③体内バランスの乱れ】

3つ目は「体内バランスの乱れ」です。

運動を継続して行うと

  • 発汗による「水分」の喪失
  • 乳酸、リン、硫黄などの代謝産物による体内の「酸性化」
  • 「活性酸素」の過多

などが起こり、細胞レベルでの体内バランスに乱れが生じます

これによって「身体諸機能が落ちること」”疲労”を招いてしまいます。

Tomy
体内バランスの乱れが、機能低下を招いているんですね。

 

【④伝達不良】

4つ目は「神経系の伝達不良」です。

運動は「大脳」からの命令が「脊髄」を下り、「運動神経」を経由して「筋肉」へと伝わることで発生します。

この伝達は、神経内の「伝達物質(アセチルコリン等)」によって伝わります。

Tomy
神経の末端からは、粒子状の伝達物質が分泌されています。

(引用:あいむ動物病院 西船橋より)

活動量が多いと、伝達物質の分泌が追いつかなくなってしまい、「運動神経」→「筋肉」の間で伝達不良が起こります

神経衝撃が筋肉に伝わらない、これが「身体諸機能の低下」となり”疲労”になります。

ハテナちゃん
なるほど!疲労の原因はそんなところにもあったんですね。

 

まとめ

疲労の原因についての理解は深まったでしょうか?

大きな原因となっているのは

  1. 疲労物質の蓄積
  2. エネルギー不足
  3. 体内バランスの乱れ
  4. 伝達不良

の4つです。

”疲労状態”は「体の防衛反応の1つ」でもあるので、疲労を感じたら適切な「休養」「栄養の摂取」を早めに行うことが大切です。

ではでは今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

うぱ
今日もありがとうぱ!

 

【シェア・ブックマークも忘れずに】

この記事の他にも「体のケア」に関するお役立ち情報を多数掲載しています。

更新情報等のお知らせはこちらから↓
友だち追加

「また後で見に来よう!」で見失わないように、シェア・ブックマークボタンをぜひご活用ください。

 

 
このエントリーをはてなブックマークに追加

では改めまして…いつもありがとうございます。



<オススメ本の紹介>

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUT US
Tomy先生
千葉県出身。 現在は「健康」×「教育」の仕事に従事。 将来の夢は「全ての人が毎日身体のケアをする文化を創ること」。 ”歯磨きすること”と同じくらいの感覚で、体のケアをする文化が広まれば、きっと世界を変えていける!と信じている。 マイペースで群れることが嫌いな典型的なB型気質。西新宿にて週末個人サロン「Tomy's room(トミーズルーム)」を運営中。 ◯順天堂大学スポーツ健康科学部スポーツ科学科(スポーツ医科学専攻) ◯日本ストレッチング協会:認定ストレッチインストラクター<JSA-CSI> ◯全米ストレングス&コンディショニング協会<認定パーソナルトレーナー(CPT)&認定SCスペシャリスト(CSCS)>