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「ケトン体」という言葉を聞いたことはありますか?
「なんとなく聞いたことはあるけれど…よくわからない。。」
という方も多いのではないでしょうか。
今回は「ケトン体」についてまとめてみようと思います。
ケトン体の魅力
「ケトン体」というのは、体内で活用される”エネルギー源”です。
体内における一般的なエネルギー源は「ブドウ糖(グルコース)」です。
このブドウ糖が枯渇した際に”肝臓”において”脂肪”から作られるもの…それが「ケトン体」です。
そもそも体内には、
- ブドウ糖を使ってエネルギーを生み出す「ブドウ糖回路」
- ケトン体を使ってエネルギーを生み出す「ケトン体回路」
という2つの回路があります。
しかしながら、これらは同時並行で共働することができません。
長時間の激しい運動や絶食によって体内のブドウ糖濃度が下がると、そこから徐々に”ケトン体回路”が回り始めます。
ではそんな「ケトン体」は、一体何が優れているのでしょうか?
ケトン体の凄さ①
人間の体は、細胞で構成されています。
細胞の中には
- 「核」
- 「ミトコンドリア」
- 「リボソーム」
といった小器官が多数存在しています。
その中でも体を動かすエネルギーを生み出しているのが「ミトコンドリア」です。
(引用:Road to Pharmacist General☆彡より)
「ブドウ糖」と「ケトン体」はいずれも”エネルギー源”という同ジャンルに属しています。
しかし、”燃費のよさ”が圧倒的に異なります。
その燃費の違いは、
- ブドウ糖=まずは「細胞質」へ
- ケトン体=いきなり「ミトコンドリア」へ
という性質の違いに基づいています。
「ケトン体」は直接ミトコンドリアに取り入れられるため、ブドウ糖よりも少量で効率よくエネルギーを供給できるというわけです。
<エネルギーの渡し方>
ではイメージしやすいような話を1つ紹介しましょう。
例えば、今ここにプールで泳いでいる少年がいるとします。
この少年は長時間の水泳で疲れが見え始めました。
そこでこの少年にプールの外から栄養補給をしてあげます。
- 「ブドウ糖回路」で栄養補給をするということは
プールの水そのものに栄養ドリンクを溶け込ませて、栄養を届ける作戦です。
- 一方で「ケトン体回路」で栄養補給をするということは
ロープの先に栄養ドリンクをくくりつけて、直接届ける作戦です。
ブドウ糖回路ではプール全体に対して均一的に栄養補給を行うことができますが、少年に栄養を送り届けるには時間がかかります。
一方のケトン体回路では、効率良く最短で栄養補給を実施することができます。
ケトン体の凄さ②
ケトン体がミトコンドリアに直接アプローチできる”スーパー燃料”であることをご理解いただけたでしょうか。
ただケトン体のすごいところは、それだけではありません。
ケトン体は筋肉・神経・脳細胞…など、身体の”全ての器官”において活用することができます。
特に”脳”には「脳血液関門」と呼ばれる関所があり、ブドウ糖以外の栄養素はここでストップしてしまい送り届けることができません。
しかし、ケトン体はこの関所をすんなり通り抜けることができます。
(引用:三井製糖より)
「うつ症状」や「認知症」の初期段階の多くは、脳神経内のエネルギー枯渇による”神経伝達物質不足”が原因になっているとも考えられています。
ケトン体回路で効率的にエネルギーを供給することは、脳にとっても非常に有効なのです。
なぜ、今になってケトン体なのか?
ではなぜ今になってケトン体が注目されているのでしょうか。
ケトン体は”脂肪”を燃料にして、すぐにエネルギーを生み出すことができる効率的な”スーパー燃料”です。
しかしながら、この強い”酸化力”ゆえに
『ケトン体回路が回りだすと、体内が「アシドーシス(酸性化)」してしまう』
と考えられ、敬遠されていた時代がありました。
- 吐き気
- 頭痛
- 疲労感
- 睡眠障害
などといった症状がでることです。
ケトン体によるアシドーシス(酸性化)を”ケトアシドーシス”などといい、これは「速やかにブドウ糖を補給せよ」の”合図”であると認識されていました。
しかし、近年研究者の間でさまざま実験が行われ、
『「ケトアシドーシス」は、重篤な糖尿病患者でない限り起こらないこと』
であり、
『一般的な食事における糖質制限で増加するケトン体の濃度は、1mM〜10mMの範囲内が最大レベル』
であるため、
『ケトン体システムに転換したからといって、一概にケトアシドーシスになるとは言えない』
ことがわかってきました(*いずれも【体内年齢がよみがえる科学 ケトン体革命-究極のアンチエイジング理論- (YELL books)】:p42-43より引用)。
これによって
「一般的な食事制限レベルでは、ケトアシドーシスに陥るまで体が酸化することはないから、積極的に使っていこうよ!」
という考え方が出てきたわけです。
ケトン体を使うためには??
ケトン体を活用するためには、まず体内のブドウ糖濃度を下げる必要があります。
したがって”糖質制限”は必須であり、ご飯やパン・麺類・穀物類などはなるべく摂取しないようにします。
- 糖質を控え気味にし、
- 脂肪とタンパク質を多めに摂る
このような食事方法で「ケトン体回路」を活用するダイエット方法を「ケトジェニックダイエット」とも呼ばれています。
まとめ
「ケトン体回路」が回り始めると、体内のエネルギーを効率的に使えるようになります。
併せて”糖質”を摂取する必要が少なくなるので、無駄な体脂肪の蓄積も抑えることができます。
体内にすでに存在している夢のような物質、それが「ケトン体」なのです。
基本的なところは押さえておきつつ、もう少し様子を見ておくのが賢明な判断かもしれません。
ちなみにケトン体全体を学ぶなら【体内年齢がよみがえる科学 ケトン体革命-究極のアンチエイジング理論- (YELL books)】がオススメです。
興味のある方はぜひ読んでみてください。
ではでは今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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