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筋肉を伸ばしすぎること、これを「オーバーストレッチ」といいます。
オーバーストレッチには
- 伸ばす「強度」が強すぎること
- 伸ばす「時間」が長すぎること
の2つの要素が含まれ、いずれも組織の損傷を招いてしまう場合があります。
長く伸ばせばいいってもんじゃない
過去のブログでも紹介していますが、ストレッチの適切な時間は
- 最低でも「15〜20秒」
- セット数の目安は「4セット」
- 「60秒以上」になると、時間を増やしても大きな変化は生まれない
とされています。
60秒以上のストレッチを行っても、柔軟性に大きな変化は生まれません。
ではそれ以上筋肉を伸ばし続けると、体はどうなるのでしょうか?
<60秒以上伸ばし続けると…?>
過去には、頸椎を回旋させた状態で一定のストレッチ負荷をかけ続けた実験があります(「Dalenbringら(1999)」)。
この実験では負荷強度を変化させなくても、スタートからおよそ「3分」で被験者が痛みを感じ始めました。
痛みを感じてもさらにそのままストレッチを継続した場合、やがては「耐え難い痛み」を引き起こしたことが報告されています。
そもそもストレッチポジションを「3分間」保ち続ける…というのはとても苦しい状態です。
感覚が鈍化してきたり、痺れが出てきたりすることもあるので、覚醒状態であればまず途中でギブアップしてしまうでしょう。
怖いのは、ストレッチをしたまま「寝落ち」してしまう状態です。
意識の有無に関わらず、筋肉が伸ばされ続けるという事実は変わりません。
「伸ばしすぎ」や「ストレッチ中の寝落ち」には十分注意することが大切です。
筋肉内で起こっていること
長期にわたる強度の高いストレッチは、靭帯や関節包に大きなストレスを与えてしまっています。
この靭帯や関節包には「感覚受容器」と呼ばれるセンサーが多数存在しています。
これらの受容器は異常な伸びを感知すると、運動ニューロンを活性化させ、筋肉に対して強い収縮を引き起こさせます。
これを「防御性筋スパズム」ともいいます。
このわかりやすい例が「寝違え状態」です。
首を曲げたまま寝てしまうと、筋肉が長時間伸ばされることによって運動ニューロンが働き、筋肉を収縮させます。
これが筋肉のコリとなって、不快な痛みを引き出します。
軽度のオーバーストレッチであれば、筋緊張を解くような「リラクゼーション処置」で対応できます。
しかし、重度のオーバーストレッチの場合、筋肉や靭帯などの組織に損傷(炎症)が出てしまう場合もあります。
損傷(炎症)が出ている際にはアイシングを行い、安静状態を保つことが大切です。
まとめ
2分〜3分という長い時間のストレッチは、オーバーストレッチを引き起こす場合があります。
組織は過剰なストレッチから筋肉や関節を保護するために、逆に縮もうとする傾向があることをぜひ覚えておいてください。
何事もやりすぎはNGですね。
ではでは今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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