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骨盤の歪み、というのはテレビや雑誌でもよく耳にする言葉です。
一説によれば、”腰のつらさ”の8割以上は「骨盤バランスの乱れ」に要因があるとされています。
今日は「骨盤の歪みとストレッチとの関係性」についてまとめていこうと思います。
骨盤の歪みとは!?
骨盤の歪みの大きな原因は「仙腸関節のズレ」にあると言われています。
仙腸関節というのは、
- 背骨の土台になっている「仙骨」
- 左右に平べったく存在している「腸骨」
という2つの骨の間にある関節のことです。
(引用:charapoana.comより一部修正)
この仙腸関節は非常に強い「靭帯」で結合されており、”主体的”に動かす筋肉は存在していません。
したがって「動かされる」ことはあっても、自ら「動く」ことはありません。
可動域はとても小さく、
- 回旋角度:1~12°
- 並進距離:1~3mm
と言われています。
仙腸関節の主な役割は、足を動かした際の「衝撃の緩和」です。
歩行のリズムと連動して「たわむ」ことによって、骨盤内の衝撃を緩和しています。
仙腸関節はマンションの免震構造のような役割なんですね。
(引用:小櫃建設)
一般的には、女性のほうが男性よりも仙腸関節にかかる負担は大きくなります。
これは横幅が広いため、足を動かす際の遠心力が増大するからです。
また、不用意な「中腰姿勢」などで強い負荷がかかるとズレが生じることもあります。
これがまさに「骨盤のゆがみ」です。
仙腸関節がずれるとどうなる!?
では仙腸関節がずれてしまうと、体にはどのような影響が出るのでしょうか?
大きく分けると
- 「副運動の制限」説
- 「筋肉付着部位の負担」説
の2つがあります。
【①副運動の制限説】
下のイラストをご覧ください。
(引用:「仙腸関節機能障害―AKA‐博田法による診断と治療」)
左の仙腸関節から同側の各関節に対して「矢印」が飛んでいます。
これは「神経伝達物質」の分布を表しています。
仙腸関節にズレが生じると「神経伝達物質」が同側の各関節に飛んでいきます。
すると、その影響を受けた関節に
- 副運動の障害
- 痛み
- 可動域制限
などが起こります。
1つの関節内で過緊張が起こると、同側の関節へと緊張が連鎖していく反応です。
原因がわからない肩や膝の動きの悪さは、もしかすると仙腸関節のズレから来ているかもしれません。
【②筋肉付着部位の負担説】
2つ目は仙腸関節が関わる筋肉の問題です。
背中の筋肉である「脊柱起立筋」や、腰の筋肉である「広背筋」「腰方形筋」は仙骨-腸骨から筋肉が始まっています。
(引用:therapistcircle.jpより一部修正)
(引用:BCSすこやか治療院 より一部修正)
仙腸関節のバランスが乱れるということは、筋肉の「スタート位置」が乱れるということです。
これは同じ姿勢を取っていても、筋肉の走行がズレていることを意味します。
仙腸関節は「土台」ですから、このバランスを整えなければいつまでも腰や背中のつらさは続いてしまいます。
丁寧なケアを必要とする理由がお分かりいただけたでしょうか?
骨盤の歪みに対してオススメのストレッチ
ケアをする際にまず覚えておくべきことは、
仙腸関節には「自ら主体的に動く筋肉が存在していない」ということです。
したがって、外からの圧力や刺激が加わらない限り、急に(勝手に)「ズレが戻った!」「歪みが解消された!」ということはありえません。
個人でできるストレッチとしては、仙腸関節を「4方向」に動かすものです。
しかし、仙腸関節に大きなズレが生じていた場合、こういったセルフストレッチを行うことによってズレをさらに助長させてしまう恐れがあります。
仙腸関節部分に「痛み」や「しびれ」がある場合には、セルフストレッチで解決しようとせず、一度専門機関で診てもらいましょう。
まとめ
仙腸関節を動かすストレッチによって歪みを「予防する」ことは可能ですが、歪みを「整える」「治す」というのは難しいです。
この関節は人体の土台を担っている部分でもありますから、バランスを崩す前にケアをしておきましょう。
もし「仙腸関節についてもっと勉強してみたい」という方は「仙腸関節機能障害―AKA‐博田法による診断と治療」を読んでみてください。
前半の基礎知識・エビデンスはとても参考になります(後半は治療関連の情報になってくるので難しいです)。
ではでは今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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