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「走る」という行為は、とても身近なものです。
今日は「ランニングとストレッチの関係性」にまとめてみようと思います。
「走」動作のメカニズム
「走」動作というのは、
「歩幅(ストライド)」×「歩数(ピッチ)」
によって構成されています。
柔軟性が向上すると「歩幅(ストライド)」が広くなり、その分スピードが向上してきます。
100ヤード(1ヤード=91,4cm)ダッシュを研究した実験では以下のように報告されています。
「歩幅が96インチ(1インチ=25,4mm)のランナーは100ヤードを走りきるのに37,5歩かかる。そして10秒でゴールした場合、1歩にかかる時間は0,266秒となる。
歩幅が2インチ増えて98インチになると、ゴールするのに必要な歩数は36,74歩となる。
もし1歩にそのまま0.266秒かかるとしたら100ヤードを9.8秒で走れるようになり、10秒かかる人よりも6フィート(1フィート=30,48cm)の差をつけてゴールすることができる。(「柔軟性の科学:P386)
重心移動の速度を変えずに「歩幅を大きくする」ためには
- 臀筋群・ハムストリングス
- 腸腰筋・大腿四頭筋
- 下腿筋群
の柔軟性が特に重要となります。
これが「大臀筋」と「ハムストリングス」で、
(引用:ヒューマン・アナトミー・アトラス(Visible Body)より)
これが「臀筋」と「大腿四頭筋」です。
そしてこちらが「下腿筋群」です。
また、ランニング中に「クロスオーバー」と呼ばれる、着地足が中心線より内側に入ってしまう状態に陥る人がいます。
これは内転筋群の硬さによって足が内側に引っ張られるだけでなく、胸筋群の硬さによって上半身(肩)のラインが傾くことによっても発生していると考えられています。
したがって、効率のよいランニングフォームのためには
- 内転筋群
- 胸筋群
の柔軟性も必要となります。
参考までにこれが「内転筋群」で、
これが「胸筋群」です。
各部位のストレッチポーズに関してはぜひ「イラストでわかるストレッチングマニュアル」をご参照ください。
この本は市販されているものではありませんが、311種類ものストレッチが載っており、ストレッチ関係者のバイブルでもあります。
ぜひこの機会に皆さんもどうぞ。
柔軟性のメリット
上記の筋肉群の柔軟性が向上すると「歩幅が大きくなる」だけでなく、
- 筋肉の収縮力が大きくなる。
- 力の作用する時間が長くなる。
- 無駄なエネルギーを消耗しなくなる。
といったメリットも期待されます。
<①筋肉の収縮力が大きくなる>
筋肉はゴム状の性質をもっているため、筋肉が長く伸ばされた状態だと「弾性エネルギー×収縮力」によって力を発揮することができるようになります。
1の長さの筋肉が「1」から力を発揮すると収縮力しか働きませんが、「1.5」から力を発揮すると0.5分の弾性エネルギーも含むことができます。
これによって、筋肉の収縮力を高めることができるとされています。
<②力の作用する時間が長くなる>
「走」動作では踵が地面に着地した後、つま先によって地面を蹴っていく動きが入ります。
この時、ふくらはぎの筋肉が硬いとすぐにつま先が地面を離れてしまいますが、柔軟性が高ければより長い時間、地面を押し続けることができます。
これによって、より大きな「地面反力」を受けることができ、加速することができます。
<③無駄なエネルギーを消耗しなくなる>
体の硬さは「代償動作」と呼ばれる無駄な動きを生み出します。
例えば、右股関節の柔軟性が著しく低下している場合、右足の歩幅(ストライド)をカバーするために骨盤がより大きく回旋してしまうことがあります。
本来必要でない動きを作り出せば、その分エネルギーは消耗し、なおかつ怪我の発生リスクも高めてしまいます。
柔軟性の高さとは、必要最低限のエネルギーで運動を行うためにも重要なものなのです。
まとめ
ランニングにおいて重要な筋肉群は
- 臀筋群・ハムストリングス
- 腸腰筋・大腿四頭筋
- 下腿筋群
そして
- 内転筋群
- 胸筋群
です。
柔軟性を高めることでより運動効率が上がることも期待されますので、ぜひランニング前はしっかりとストレッチを行ってください。
では今日も最後までお読みいただきましてありがとうございました。
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