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人の体をケアする方法は、大きく分けて2パターン存在しています。
それは「中央→末端」に向かってケアする方法と「末端→中央」に向かってケアする方法です。
体のケアをするいう意味では共通ですが、ほぐす順番は180度異なっています。
今日はこの「体のケアの順番」についてまとめてみようと思います。
①体の中央→末端に向かってほぐす
体の中央というのは「心臓」に近い部分、すなわち体幹周辺を指します。
すなわち先に背中や腰、肩甲骨周りをほぐし、その後に腕や足にアプローチしていくのが①のやり方です。
キーワードは「血液循環(動脈)」と「体温の上昇」です。
血液は酸素や栄養素を運ぶだけでなく、熱の運搬も行っています。
中央部分の大きな筋肉からほぐしていくことで、温かい血液(動脈)が全身に向かって流れていきます。
(引用:kotobank.jpより)
したがって
- 「運動前」に体のケアをしたい
- 全身に「冷え感」を感じている
- 「だるさ・重さ」がある
という人には、このほぐし方がオススメです。
②体の末端→中央に向かってほぐす
一方で、体の末端部から中央へ向かってほぐす体のケア方法も存在します。
こちらのキーワードは「静脈」と「リンパ」です。
中央から末端に向かって流れる動脈は”心臓のパワー”で押し流されていきますが、「静脈」と「リンパ」に関しては”筋肉の収縮”が必要であり、比較的押し流す力が弱い傾向にあります。
末端部分を先にほぐすと、静脈とリンパの流れをサポートすることができるので、
- 「運動後」に体のケアをしたい
- 「全身の疲労感」がある
- 「むくみ」が気になる
ような人にはオススメです。
効果の違いは?
したがって原理で考えてみると、
- 「中央→末端」=運動”前”の体のケアに(動脈の流れ)
- 「末端→中央」=運動”後”の体のケアに(静脈、リンパの流れ)
となります。
しかしながら、このほぐし方による「効果の違い」を明確に示したエビデンス(研究報告)は見たことがありません。
個人的な意見としては、あまり大きな差はないのではないかと思っています。
また、このほぐし方の順番には「文化的な背景」も関与していることがあります。
<東洋式と西洋式>
体のケアには「東洋式」と「西洋式」という2つの大きなジャンルがあります。
東洋の考え方は「氣の流れ」です。
体の中には「氣」を流すエネルギーラインがあり、これは中央から末端に向かって進んでいくと考えられています。
「指先から悪い氣を放出する」という考え方のもと、中央→末端に向かって「押す・ほぐす」方法が東洋式の基本です。
一方の西洋式では「リンパの流れ」を重視します。
リンパは基本的に末端→中央に向かって流れてくるため、その流れを妨げないためにも、腕や足からオイルを使って「流し」始めます。
どちらが良い悪いということではありません。
双方のメリットをきちんと理解して、尊重し合うことが大切です。
まとめ
体のケア方法には2つの大きな流れがあります。
基本的な考え方は、
- 「中央→末端」=運動”前”の体のケアに。
- 「末端→中央」=運動”後”の体のケアに。
で良いかと思いますが、そこまでこだわる必要はないかもしれません。
両方のケアを経験して、自分に合ったやり方を選択するのがベストだと思います(受け手の好みにも合わせて)。
では今日も最後までお読みいただきましてありがとうございました。
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