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生まれた時には柔らかかった体も、日々のストレスや運動不足の蓄積によって次第に硬くなっていきます。
体が硬くなる(柔軟性が低下していく)過程を考える際のポイントは、
- ”短期的な原因”
- ”長期的な原因”
です。
これらを混同してしまうと時系列があいまいになり、全体像が把握しにくくなってしまいます。
今回は「体が硬くなる流れ」についてまとめてみたいと思います。
<短期的な原因>
まずは短期的な原因から見ていきましょう。
ここでのキーワードは、
- 交感神経の優位支配
- 筋肉の過緊張(持続的な収縮)
の2つです。
一定の姿勢を長時間取り続けていたり、精神的なストレスを感じる環境にいたりすると「自律神経」における”交感神経”が優位になってきます。
*自律神経の詳細はこちら:【自律神経とストレッチ】
交感神経が優位に働くと、体は”スイッチON状態”になり、
- 筋肉の収縮
- 血圧の上昇
- 心拍数の上昇
といった反応を生じます。
これによって無意識のうちに筋肉が収縮し、”過緊張状態”へと陥ります。
したがって、短期的な目線では
- ”リラックス環境”を作って気分転換をする
- 緊張してこわばった筋肉をほぐす
といった対処が大切です。
…ここまではそう大きな問題ではありません。
大変なのは、この状態が”慢性化”したことによって生じる体の硬さです。
<長期的な原因>
続いて長期的な原因で考えてみましょう。
ここでのキーワードは、
- 筋硬結の発生
- コラーゲン線維の癒着
の2つです。
「筋硬結:きんこうけつ」というのは、筋肉が硬くなったままこわばってしまい、小さな”しこり”のような形状になっている状態です。
(引用:江原鍼灸整骨院.より)
*筋硬結の詳細はこちらへどうぞ→【筋硬結とは?】
この筋硬結はなかなか厄介な存在で、筋肉を硬くするだけでなく「疼痛:とうつう」と呼ばれる痛みも引き出します。
硬くなる→痛みがでる→動かしたくない→さらに硬くなる→痛みが強まる→交感神経が働く→周辺部位も硬くなる。。
この”負のスパイラル”が発生すると、体はどんどん硬くなってしまいます。
解消するためには”電気や針を使った局所的な血行の促進”や”生理食塩水の注射”等の処置が必要になる場合もあります。
また長期的なスパンで考えると、硬くなる要因は筋肉だけではありません。
筋肉の周りに存在する「筋膜」や、関節の周りに存在する「関節包・靭帯」といった”結合組織”にも悪影響が及んでしまいます。
これらの”結合組織”は「コラーゲン線維」というタンパク質で構成されています。
(引用:www.jst.go.jpより)
普段は柔らかく動きますが、長期的に動かさないと配列が乱れ、互いにくっついてしまいます(これを”癒着”ともいいます)。
これによって伸びが制限されて、より動かしにくい環境になってしまいます。
まとめ
”体が硬くなる要素”には、短期と長期があります。
短期は”神経”と”筋緊張”の問題であり、長期は”筋肉”だけでなく、筋膜や靭帯といった”結合組織”の問題も加わります。
ぜひきちんと分けて理解しておきましょう。
より詳しい情報を求めている方は、
- 筋膜について→【筋膜が硬くなる仕組み】
- 筋肉について→【筋肉が硬くなる仕組み】
- 筋硬結について→【筋硬結とは】
これらの記事も参考にしてみてください。
では今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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