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早朝?お昼?夕食後?寝る前…?
今日は「ストレッチを行うベストタイミング」についてまとめてみたいと思います。
柔軟性の高い時間帯
ストレッチを行うタイミングを考えるに至っては、体が柔らかくなるタイミングを知っておく必要があります。
これを「日内変動(サーカディアンリズム)」といいます。
(引用:シティリビングWeb – Living.jpより)
日内変動というのは、1日の中で体温や血圧が変動する”波(リズム)”のことです。
基本的に早朝は低く、日中にかけて徐々に上がってきます。
<体が柔らかくなる時間帯>
まずは先行研究をいくつか見ていきましょう。
『Baxter and Reilly,1983』の実験では、「14人の若いスイマーの体幹の柔軟性」を測定しています。
これによると、
- 早朝6:30が最も柔軟性が”低く”
- 昼間13:30が最も柔軟性が”高い”
ことがわかりました。
同様の結果は、他の研究でも報告されています。
『Gifford,1987』では「25〜32歳の被験者25名」を対象に、2時間ごとの「前屈の柔軟性」を測定評価しています。
この実験でも
- 最も硬かったのが、早朝6:00
- 最も柔らかかったのが、昼間14:00
という報告がなされています。
一般的な柔軟性は、この変動に基づいて変化しています。
そのため同じストレッチでも、朝と昼で「伸び感」が異なります。
柔軟性を安全かつ効果的に高めていきたい場合は「お昼過ぎから夕方頃」にストレッチを行うことが大切です。
なぜ柔軟性は変化するの?
いずれの実験においても、早朝の時間帯は体が硬くなることがわかっています。
ではなぜ体は硬くなるのでしょうか。
考えられる要因をいくつか挙げてみたいと思います。
- 体温の低下
- 寝ている間に起こる椎間板(軟骨)の膨張
- 寝ている間に起こる軟部組織の硬化
- 固有受容器のリセット
<①体温の低下>
1つ目の要因は「体温の低下」です。
前述したように人間の体には「日内変動」があり、早朝6時頃が最も体温が低下します。
筋肉や筋膜、関節包といった軟部組織は「コラーゲン(タンパク質)」でできており、その柔らかさは温度に依存しています。
したがって「体温が低い時間帯=身体がこわばっている時間帯」ということが予想されます。
<②椎間板の膨張>
椎間板というのは、背骨の間にある「軟骨(クッション)」です。
(引用:腰椎椎間板ヘルニアの名医を…)
これらの軟骨は、寝ている間に”組織液を取り込んで膨張する”と言われています。
厚みを増したクッションは、その分だけ動きを制限してしまいます。
寝起きの柔軟性低下(特に前屈動作など)は、この影響も含まれていると考えられています。
<③軟部組織の硬化>
軟部組織というのは、人体における「骨以外」の部分です。
寝ている間は体の動きが制限されているため、軟部組織が硬くなりやすいです。
軟部組織は”動かさない時間が長いほど硬くなる”傾向にあるため、寝起きの体は可動域が乏しくなってしまっています。
<④固有受容器のリセット>
人の体には、柔軟性を感知する「固有受容器(センサー)」が存在しています。
寝ている時間はこれらの受容器の動きが最小限になり、動きの感知レベルが一時的に”リセット”されると考えられています。
それによって朝の反応閾値が低くなり、より小さい筋肉の変化でも伸びを実感できるようになると考えられています。
時間帯に合わせたストレッチ
これらの理由により、早朝に大きな動きが伴うストレッチはNGです。
特に反動をつけるもの・スピードが伴うものは、やめておいたほうがよさそうです。
もし早朝にストレッチをする場合は
- 軽いジョギング
- 温かいシャワー
などで一度体温を上げておきましょう。
そして、柔軟性を上げるためのストレッチは「お昼から夕方頃」の時間帯に行うのがベストです。
ただ、現代人の多くは日中の活動量が少なく、なおかつ冷房環境下にいる機会が多いため、体温が上がりきらない方も多いと思います。
そういった方は、1日の中で最も体温が上がる「入浴後」にストレッチを行いましょう。
時間帯とご自身の体調を照らし合わせながら、ストレッチを選択するようにしてみてください。
まとめ
人の体に存在する「日内変動(サーカディアンリズム)」は、柔軟性にも影響を与えています。
体のこわばりを”特定”することは難しいですが、
- 体温の低下
- 寝ている間に起こる椎間板(軟骨)の膨張
- 寝ている間に起こる軟部組織の硬化
- 固有受容器のリセット
といった要因が存在していると考えられています。
ストレッチのベストタイミングは「お昼から夕方頃」(もしくは入浴後)です。
ぜひ覚えておいてくださいね。
ではでは今日も最後までお読みいただきありがとうございます。
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