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ハイパー(Hyper)は「超える」、モビリティー(Mobility)は「動作(動き)」です。
「ハイパーモビリティー」というのは、関節の異常な可動域のことを表しています。
ハイパーモビリティーはなぜ起こる
「ハイパーモビリティー」とは、下の写真のような関節の異常な可動域のことです。
(引用:らばQ)
この問題の多くは「関節周囲の支持力不足」によって起こります。
そもそも関節の可動域というのは、筋肉の柔らかさ”だけ”で決定されるものではありません。
例えば、手首の場合だと
- 47%=関節包と靭帯
- 41%=周辺筋と筋間の筋膜
- 10%=腱
- 2%=皮膚
という割合で可動域が決定されています。
一般的なハイパーモビリティーの原因は「靭帯のゆるさ」にあると考えられています。
この靭帯のゆるさは、線維を構成するコラーゲンタイプの変性から生まれる「先天的なもの」である可能性が高いです。
特に全身の関節にゆるさが見られる状態を「ハイパーモビリティー症候群」といい、人口の5~7%弱がこれにあたるといわれています。
- 小指の中手指節関節の伸展が90度を超える
- 親指が前腕につく
- 肘の可動性が10度以上大きい
- 膝の伸展が10度以上大きい
などを総合的に判断したものです。
また「後天的要因」としては、
- 女性ホルモンである「リラキシン」の分泌(妊娠出産時のために結合組織をゆるませるホルモン)
- 幼少時代からの負荷の強いオーバーストレッチの継続(バレエ、新体操の選手など)
などがあります。
若い女性や筋肉量の少ない人、小さい頃から柔軟性に特化したスポーツ(バレエやダンス)をやっていた人は、体が柔らかい傾向にあります。
しかし、柔らかければいいのかといったら、そういうわけでもないのが現実です。
ではもう少し深掘りして見ていきましょう。
関節のゆるさと筋肉の柔らかさは違う
ハイパーモビリティーの人は、一見すると体がとても柔らかく見えるため、疲労を感じにくいのではないかと誤解されてしまうことがあります。
しかし「関節がゆるい」ということは、それだけ「不安定性がある」ということです。
その不安定性(ぐらつき)を補うためには「筋肉の働き」が必要になります。
つまり、ハイパーモビリティーの状態というのは、必要以上に筋肉のエネルギーを大きく使ってしまいます。
そのため、運動効率が悪く、筋疲労も溜まりやすい傾向にあります。
ハイパーモビリティーの人こそ、筋肉のケアをきちんと行うことが大切なのです。
どんなケアが最適か
ではこういった関節がゆるい人には、どういったケアが最適なのでしょうか?
そもそもハイパーモビリティー状態にある関節は「動作の終末域」で大きなストレスを受けがちです。
「伸び感が得られないから」といってぐいぐいストレッチをしていくと、関節周りの結合組織が必要以上に伸ばされて怪我をしてしまうことがあります。
したがって、通常のスタティック(静的)ストレッチは
- 伸び感を得られにくい
- 関節に大きな負担がかかることがある
という理由からあまりオススメされません。
ケアとしては「押す・揉む」が基本になります。
マッサージや指圧、フォームローラーを活用したコンプレッション(圧迫系)ケアがこれにあたります。
疲れている部位を狙って丁寧にほぐしていきましょう。
まとめ
ハイパーモビリティーの原因の多くは「筋肉の柔らかさ」ではなく「靭帯のゆるさ」にあります。
これは先天的なものやホルモンの影響を受けた結果であるため、自分でコントロールすることは難しいです。
ケアをする際には、筋肉全体を伸ばす「ストレッチ」ではなく、局所的にアプローチをする「押す・揉む系」のアプローチがオススメです。
ぜひ適切なケアを実践していきましょう。
ではでは今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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