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『ストレッチは疲労回復につながる』
この考え方はもはや定説の1つになっていますが、その”原理”を深掘りする情報は意外と少ないのが現実です。
今日は「ストレッチによる疲労回復の理由」について詳しく見ていこうと思います。
疲労回復への”直接的”効果
疲労を回復させるうえで、最も大切なのが”血液の流れ”です。
心臓から送り出された”動脈”の中には、新しい酸素や栄養素が豊富に含まれています。
これらが体内の細胞に送り届けられ、かつ細胞内の老廃物が回収されることによって、私たちの”疲れ”は軽減されると考えられています。
ストレッチは”血液の流れ”を促進させることによって、疲労回復に貢献しています。
そこには
- 虚血→リバウンド
- 内圧ダウン→スムーズ化
といった2つの原理が存在しています。
<①虚血→リバウンド>
筋肉に対してストレッチを行うと、筋肉周辺を通っている”血管”も同様に伸ばされていきます。
血管は”細いゴムチューブ”のようなイメージです。
これを左右に引っ張っていくと、縦方向に圧力がかかり、直径が小さくなります。
これを「せん断力」ともいいます。
(引用:Weblio辞書)
直径が小さくなると、血液の流れは抑制されます。
この血液が一時的に流れにくくなっている状態を”虚血(きょけつ)状態”といいます。
この”虚血状態”をゆっくり解放すると、滞っていた血液が一気に流入し、血液量が爆発的に増大します。
血液がドッと流れ込むこの状態を「リバウンド現象(効果)」ともいいます。
過去には段階的なスタティックストレッチを実施した研究によって
「腱周辺の血液量が、安静時の”3倍近く”まで増加した」
ことも明らかにされています(Kjaeerら(2000))。
<②内圧ダウン→スムーズ化>
ストレッチによって血行が促進される原理は①だけではありません。
疲労によって硬くなっている筋肉というのは「筋内圧」が高く、血管を常に圧迫する状態になっています。
(引用:nabolin.comより)
この状態では血液が流れにくく、疲労は溜まる一方です。
筋内圧が高いこういった状態の時には、ゆっくりじわ〜っと(15~20秒程度)伸ばしていく「スタティックストレッチ」がオススメです。
このストレッチを行うと”筋肉内のセンサー(ゴルジ腱器官)”が発動し、筋肉に対して「ゆるめ〜」という指令を送ってくれます。
これによって筋肉が緩むと、筋内圧は低下し、血管への圧迫も小さくなっていきます。
疲労回復への”間接的”効果
ここまで紹介した内容は、疲労回復に対する“直接的な効果”でした。
続いては“間接的な効果”についても見ていきましょう。
キーワードは「ポンプ機能」と「自律神経」の2つです。
<ポンプ機能が大きくなる>
ストレッチによって筋肉が柔らかくなると、関節が大きく動くようになります。
”関節が大きく動く”ということは、それだけ「筋ポンプ機能」を大きく働かせることができるということです。
<自律神経のバランスが整う>
またストレッチには「リラクゼーション効果」もあります。
これは呼吸を整え、自律神経のバランスを調節してくれる効果です。
ストレスのかかる日常では、自律神経のバランスが乱れ、交感神経が優位になりやすくなります。
ストレッチによって「副交感神経」を優位にすることで、
- 心拍数の低下
- 血圧の低下
- 呼吸の安定
- 睡眠の質の向上
- 筋肉の弛緩(リラックス)
といった疲労回復効果が見込めます。
”ストレッチ=疲労回復”の背景には、こういった様々な要素が含まれていることをぜひ覚えておきましょう。
まとめ
「ストレッチ=疲労回復」のキーワードは”血行促進”です。
その原理には
- 虚血→リバウンド
- 内圧ダウン→スムーズ化
という直接的要因と、
- ポンプ機能が大きくなる
- 自律神経バランスが整う
という間接的要因が存在しています。
ただ”なんとなく”ストレッチをするのと、原理を理解して取り組むのとでは効果も変わってきます。
ぜひ今日のストレッチから意識してみてください。
では今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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