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この疑問は知っているようで意外と知らない(説明できない)人も多いと思います。
今日は「人の体が硬くなる原因」についてシンプルにまとめていきましょう。
短期的な要因
一言で「体が硬くなる」と言っても、その要因は筋肉・腱・靭帯・筋膜・関節包・皮膚などさまざまです。
また”短期的”な要因と”長期的”な要因とでも、内容が異なります。
まずは”短期的”な要因から見ていきましょう。
体(筋肉)を硬くする短期的な要因は、
- 不良姿勢
- 低温環境(寒さ)
- ストレス環境
- 内臓疾患
の4つだと言われています。
<①不良姿勢>
まず1つ目の要因は「姿勢の悪さ」です。
頭部はおよそ”5kg”もあります。
その頭部が前方に入っていれば、それだけで首や背中にとっては大きな負担となります。
慢性的に負荷がかかり続ければ、筋肉はやがて硬くこわばることで負荷から自らを守ろうとします。
これは「防御性筋収縮」とも呼ばれ、体を守るための適応の1つです。
長時間のデスクワークやスマホ操作の際は、注意が必要です。
<②低温環境(寒さ)>
2つ目は「低温環境(寒さ)」です。
人間は恒温動物なので、体熱を常に保ち続ける必要があります。
その熱生産の大部分は”筋肉”によって生み出されています。
低温環境になると「収縮によって熱を生み出そう」&「発生した熱を逃がさないようにしよう」とする働きが起こり、筋肉は硬くこわばります。
また、筋肉を覆う筋膜等は「コラーゲン」というたんぱく質でできており、温度に依存する性質があります。
したがって、体温が低くなりがちな冬場や朝の時間帯ほど、体は硬くこわばりがちになります。
<③ストレス環境>
3つ目は「ストレス環境」です。
人間の体には、無意識のうちに体の働きを整えてくれる「自律神経」という器官が存在しています。
*自律神経の詳細はこちら→【自律神経とストレッチ】ストレッチと自律神経にはどんな関係性があるの?
体のスイッチを”ON”にするのが「交感神経」、スイッチを”OFF”にするのが「副交感神経」です。
ストレス環境下にいると、スイッチのON状態(交感神経の優位支配)が長くなり、筋肉を過剰に働かせ過ぎてしまいます。
職場環境、仕事内容、人間関係…ささいなストレスも侮れません。
心からリラックスできる環境を作ることが大切です。
<④内臓疾患>
4つ目が「内臓疾患」です。
不良姿勢や低温環境にいなくても、背中の一部などが急に硬くなることがあります。
これは”内臓機能の低下”が原因だと考えられています。
例えば、胃の働きに異常が起きると左の肩甲骨下あたりの筋肉が硬くなる…というのは通説です。
①〜③にあてはまらない場合は、この④を疑う必要性もありそうです。
長期的な要因
では続いて”長期的”な要因を見ていきます。
大きく分けて以下の3つの要素が挙げられます。
- 筋肉の長さが短くなる。
- 筋肉自体が萎縮する。
- 筋肉が線維化する。
<①筋肉の長さが短くなる>
まず前提として知っておくべきことは「筋肉の長さは変わる」ということです。
筋肉には「筋節:きんせつ」と呼ばれる節があり、与えられる張力の大きさに応じて数を増減させています。
実際に「筋肉を伸ばした状態で固定すると筋長は増加し、縮めた状態で固定すると短縮する」ということも報告されています(Spector SA,Simard CP,et al:94-110,1982)。
筋肉の長さが短くなれば、それだけ筋肉は伸びにくくなり、関節も動きにくくなります。
<②筋肉自体が萎縮する>
また筋肉に張力がかからなければ、筋肉は次第に「萎縮」してきます。
これは筋線維サイズが小さくなるとともに、筋原線維数自体が少なくなっている状態です。
萎縮が起こると、筋肉内にはわずかな「隙間」が生じます。
この隙間が③へとつながります。
<③筋肉が線維化する>
萎縮による隙間ができると、その隙間を埋めるように筋束を包む「筋周膜」や筋線維を包む「筋内膜」が分厚くなってきます。
それにより、筋肉の断面積における”筋膜の割合”が増加してきます。
この筋膜の割合が大きくなってくることを「骨格筋の線維化」といい、線維化が進むほど筋肉全体の柔軟性は失われていきます。
つまり長期的に見て体を硬くしないためには、
- 筋肉に「張力をかける」こと=ストレッチ
- 筋肉を「萎縮させない」こと=運動(筋トレ)
の2点が重要になります。
ぜひ覚えておきましょう。
まとめ
体が硬くなっている原因は人それぞれです。
まずは「短期的な硬さの要因」と「長期的な硬さの要因」をしっかりと理解しておきましょう。
そしてやはり体を硬くしないためには「ストレッチ」が重要です。
ぜひ日々のストレッチを続けていきましょう。
では今日も最後までお読みいただきましてありがとうございました。
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