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たとえば今、空のバケツを持っているとしましょう。
ここに水を加えていくと、バケツは徐々に重くなっていきます。
この時バケツを持つ”力(筋力)”は、どのように増加しているのでしょうか?
今日は「筋肉が力を増やすメカニズム」についてまとめていこうと思います。
力を引き出す5大要素
「力を増やすメカニズム」には大きく分けて、5つの要素が存在しています。
- 運動単位の増加
- 速筋線維の動員
- 発火頻度の増加
- 筋肉の肥大
- 動作速度の低下
<①運動単位の増加>
筋肉には”1本の運動神経が支配している筋肉の集まり”があります。
これを「運動単位」といいます。
(引用:alamy.comより)
運動時には最初から全ての運動単位が使われているわけではなく、負荷の大きさに応じて使い分けが行われています。
この時使われる運動単位の”数”が増えれば増えるほど、発揮される筋力は大きくなっていきます。
<②速筋線維の動員>
①の運動単位には、それぞれ特徴があります。
大きく分けると
- 小さな力を持続的に発揮することができる=「遅筋(赤筋)」
- 短時間ながら大きな力を発揮することができる=「速筋(白筋)」
という2種類です。
基本的に小さな筋力発揮の際には「遅筋(赤筋)」で動きをまかない、力が足りなくなってきた際に「速筋(白筋)」を動員しています。
”速筋(白筋)”を使えば使うほど、より大きな筋力を発揮できるようになります。
<③発火頻度の増加>
①②は使われる筋肉の数・種類の話でしたが、筋肉には”発火頻度”というものもあります。
「力を入れなさい!」という神経伝達の”頻度”が高まると、筋肉はより大きな筋力を発揮するようになります(これを「強縮」ともいいます)。
(引用:fromhimuka.com)
<補足情報>
ここまでお伝えした”①②”は新たな戦力を加えていましたが、”③”は今ある戦力をより高める力発揮の仕方です。
これは筋肉の種類によって、ある程度使い分けられています。
例えば、足の大きな筋肉群は「①②の作用」が大きいとされています(→動員時には常にフルパワー、力の調節は参加する筋線維の”数”でコントロールされる)。
一方で、手の細かい筋肉群は「③の作用」が大きいとされています(→最初から全員参加、力の調節は命令の”頻度”によってコントロールされる)。
それぞれの筋肉の特徴を知り、トレーニング等に生かすことが大切です。
<④筋肉の肥大>
①〜③は神経系の適応であり、基本的には今持っている(けれども使っていない)筋肉によって力を増やしていました。
しかし長期的に見て、それだけでは対応しきれなくなった際には筋肉が少しずつ大きくなります。
これを「筋肥大」といいます。
筋肉の横断面積あたりの筋力は、6kg/1cm3(立方センチメートル)と言われています。
これは男女差、年齢、人種に関わらず常に一定です。
より太い筋肉になることで、より大きな力を発揮出来るようになっていきます。
<⑤動作速度の低下>
筋肉が発揮する力は、速度が遅いほうが大きくなる特徴があります。
①〜④までを全て活用してもまだ筋力が足りない場合は、動作速度が必然的に低下します。
これによって、より大きな力を引き出すことができるようになります。
まとめ
筋肉が発揮する力というのは、常に神経支配によって細かくコントロールされています。
- 運動単位の増加
- 速筋線維の動員
- 発火頻度の増加
- 筋肉の肥大
- 動作速度の低下
この5つは覚えておいて損はないはずです。
では今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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